トラウトマン・ペッパー・ロック法律事務所のパートナーであるイーサン・オストロフ弁護士によると、証券取引委員会(SEC)や州レベルの規制当局が暗号資産政策においてより大きな役割を担う中で、米消費者金融保護局(CFPB)は暗号資産規制における役割が縮小される可能性が高いという。

「現在の政権下では、他の規制当局の活動を背景に、CFPBによる関与が大きく後退する可能性が非常に高いと感じている」と、オストロフ氏はコインテレグラフとのインタビューで述べた。

オストロフ氏によれば、州規制当局も「消費者金融保護法(CFPA)」に基づき、CFPBの規制機能の一部を引き継ぐ権限を持っているという。ただし、法的に定められた権限により、一部の規制機能は引き続きCFPBの管轄下にとどまるとも付け加えた。

同氏は、州レベルで暗号資産規制を主導する可能性のある当局として、ニューヨーク金融サービス局(NYDFS)やカリフォルニア州金融保護・イノベーション局(DFPI)を注視すべきだと述べている。

ただしオストロフ氏は、トランプ政権下でCFPBの役割が縮小される可能性はあるものの、同局が現政権下で完全に解体されることはないと明言。「法的に義務付けられた職務と要件」が存在し、それらを変更するには議会による立法が必要だと説明した。

トランプ政権、政府効率化の一環としてCFPBを標的に

トランプ政権は、政府支出の削減と連邦債務の圧縮を目的とした「政府効率化省(DOGE)」による取り組みの一環として、CFPBを標的にした。

2025年2月にCFPBの新長官に就任したラッセル・ヴォート氏は、就任から数日以内にCFPBの予算大幅削減と業務の縮小を発表した。

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Source: Russell Vought

マサチューセッツ州選出のエリザベス・ウォーレン上院議員は、イーロン・マスクがCFPBを解体したとして非難した。ウォーレン氏は2007年に同局の共同設立に関わった人物だ。

ウォーレン氏はマスク氏を「銀行強盗」と呼び、トランプ政権が消費者保護規則を撤廃し、金融システムへの支配を強めるためにCFPBを解体したと主張した。

2月12日にMother Jonesのインタビューに応じたウォーレン氏は、CFPBの完全な解体には議会の承認が必要であり、行政府にはその法的権限がないと強調した。