米カード決済大手マスターカードと米大手銀行のウェルズ・ファーゴの両CEOは、ブロックチェーン技術には長期的な可能性はあるがまだ実現されていない、との見解を示した。CNBCが3月28日に報じた

ウェルズ・ファーゴのティム・スローンCEOとマスターカードのアジェイパル・バンガCEOは、3月27日に開催されたフィンテック・アイデア・フェスティバルでのCNBCのインタビューに対し、分散型元帳テクノロジー(DLT)は可能性を秘めているものの、現時点ではまだ明確なビジネスユースケースはないとコメントした。 

さらにウェルズ・ファーゴのスローンCEOは、2016年10月にオーストラリアのコモンウェルス銀行との間で行われたブロックチェーン技術を使ったテストプロジェクトに触れ、この技術の展開が非常に遅いと強調した。テストプロジェクトでは1回の取引しか行われなかったとし、「時間が経つにつれて」より大きな影響を与えるようになるだろうと結論付けた。

マスターカードのバンガCEOは、ブロックチェーン技術には「興味深い可能性」があると述べ、これは無視すべきではないとした。バンガCEOは具体的にサプライチェーンの効率化を促し、偽造品をめぐる問題に対処する技術の可能性について概説した。 しかし、「ブロックチェーンを活用したビジネスモデルはまだ確立されていない」とも主張した。

マスターカードとウェルズ・ファーゴは、両社ともブロックチェーン技術の利点を積極的に模索している。マスターカードはブロックチェーン特許の数で世界第3位にランクされており、ウェルズ・ファーゴは2018年7月にフォーブスが発表したブロックチェーンを調査している上場企業50社に入っている。


翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。

編集 コインテレグラフ日本版
原文 CEOs of Mastercard and Wells Fargo Concur on Blockchain’s Long Term Potential