国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は14日、シンガポール・フィンテックフェスティバルでスピーチし、国際社会が中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)の可能性を考慮する必要があると発言した。

ラガルド専務理事は、より一般的な仮想通貨のコンセプトについては「完全な確信は持っていない」ものの、国が政府の裏付けのあるトークンや同様の資産を発行する事例はあり得ると述べた。

「私は、デジタル通貨発行の可能性について検討すべきだと考えています。国がデジタル経済に対して通貨供給する役割はあり得るかもしれない」

このコメントは、IMFがCBDCに特化した報告書を公表した翌日に行われた。同報告書は、金融ツールとしてのCBDCのメリットとデメリットについて、IMFの見解が検討されている。

このコメントは、IMFがCBDCについてのディスカッション・ノートを公表した翌日に行われた。この報告書の中では、金融ツールとしてのCBDCのメリットとデメリットについて、IMFの見解が検討されている。

ラガルド氏がスピーチの中で指摘したように、現在カナダや中国などさまざまな地域で、CBDCの実施に向けた検討が進められている。

もしそれらの取り組みが適切に実現されれば、CBDCは「公共政策の目標を達成できる」可能性があると、ラガルド氏は述べた。その目標とは、「金融包摂」、「安全性と消費者保護」、「決済におけるプライバシー」の3点だ。

シンガポールでのスピーチでラガルド氏は、CBDCの「否定的側面」についても言及。「金融の健全性」、「金融の安定性」、「イノベーション」にリスクを与える懸念があるとも指摘している。こういったリスクに触れつつも、ラガルド氏は変化に対応するべきだと強調した。

「重要なのは、それらのリスクに対しては創造的に立ち向かうべきということです」

「テクノロジーは変化します。私たちも変化しなければなりません。私たちが枯れ枝の残る最後の葉っぱになってはいけません」

今までIMFは、今回ラガルド氏が提言したような考え方に必ずしも熱心ではなかった。

IMFは9月、米ドルと連動して流通する国営デジタル通貨を発行しようとしているマーシャル諸島は、マネーロンダリングの懸念からその計画を考え直すべきと警告した

同国大統領は今週、この問題に関する不信任投票を切り抜け、デジタル通貨発行を引き続き進められることになった。