「デジタルゴールド」という言葉は、ビットコイン(BTC)の代名詞となっている。現物の金(ゴールド)に替わる、デジタル時代の価値の保存手段であるというアイデアは、多くの専門家やアナリストが指摘してきた。

では、デジタルゴールドはビットコインの専売特許なのか?ほかの仮想通貨(暗号資産)がデジタルゴールドの地位を占めることはあるのか。

仮想通貨分析企業メサーリ(Messari)は、ビットコインに次ぐ第2位の時価総額を持つイーサリアム(ETH)がデジタルゴールになるケースについて思考実験をしている。

ETHがデジタルゴールドになったらどうなる?

メサーリは、ビットコインが価値の保存手段というユースケースの唯一の例ではなく、ほかの仮想通貨でもそれはあり得ると指摘。そして時価総額で2番目に大きい仮想通貨イーサリアムが「有力な候補になるだろう」と説明している。

そこでメサーリは、ETHと金のような価値の保存手段となった場合、どのくらい価格が上昇するのかを推定している。

出典:Messari

メサーリの推計によれば、ETHが新たな価値の保存手段となれば、ETHの潜在的なROI(投資利益率)はなんと最大490倍を超える可能性があるという。

490倍という数字について、メサーリは「クレイジーな主張に聞こえるかもしれないが、ETHが新興の金融資産であることを考えれば、可能性がないとはいえない」と述べている。

「ビットコインが非ソブリンの価値の保存手段になることができると考えるならば、ほかの仮想通貨についても、可能性は低いかもしれないが、それに成功するはずだ」

足元ではMKRが急騰

30日の相場はほぼすべての仮想通貨が反落する展開となっている。ビットコインは前日比1.2%安、イーサは1.0%安、XRPは1.9%安となっている。

主要な仮想通貨が下落する中、顕著なパフォーマンスを見せているのがメーカー(MKR)だ。前日比で40%近い上昇となっている。

MKRは分散型金融(DeFi)で有名なメーカーダオのトークンだ。既報の通り、コインベースプロへの上場が発表され、その発表後わずか1時間で30%近く急騰。現在も価格は高止まりの状況が続ている。

出典:Coin360 11:30時点