仮想通貨ビットコイン(BTC)は4日連続で9000ドル台回復に失敗した。1万ドル陥落から半月ほど経過。今週はじめ頃に反発したビットコインだが、心理的な節目の回復には至っていない。今後、レジスタンスを突破することはできるのだろうか。

(出典:Coin360 日本時間3月5日17時45分)

200日移動平均線は回復

ビットコインは、ステーブルコインのテザー(USDT)建てでみると、テクニカル的に重要な水準と見られる200日移動平均線を再び超えた。コインテレグラフの仮想通貨コメンテーターであるホーラス・ヒューズ氏によると、128日間移動平均線とフィボナッチリトレースメント50%の位置にある8400ドルが強いサポートとして機能。再び200日移動平均線を下回ったとしても、直近では8400ドルがサポートになると考えられる。

BTC USDT daily chart

(出典:TradingView「ビットコイン/USDT」)

ヘッドアンドショルダーの懸念も

反発のきっかけはどこにあるのか?

現在ビットコインは8844ドルのエリア突破に苦戦している。ヒューズ氏は、もしこのエリアを突破すれば、9150ドルを目指せるだろうと指摘。ただもし9150ドルで強い反落になれば、弱気のヘッドアンドショルダー形成になる可能性があるとみている。もし形成されれば、200日間移動平均線(8720ドル)や128日移動平均線(8444ドル)を再びテストすることになると予想した。

ヘッドアンドショルダートップは、人間の上半身のように頭(ヘッド)と左右の肩(ショルダー)の形状を示し、上昇トレンドの終了時によく見られるパターンと言われている。

ビットメックス清算額 比較的少なく

世界的な株価反発に伴ってビットコインもわずかながら上昇した。新型コロナウイルスに対する各国の中央銀行による対応や米議会での大型予算成立などをマーケットが好感したと考えられるが、仮想通貨相場との関連性については議論の余地があろう。

ただ先週のビットコイン下落時、ビットメックスにおける強制的な流動性損失の額は比較的大きくなかった

コインメトリックスによると、昨年に観測されたパターンと比べて、ビットメックスや他の先物取引所におけるロスカットの額は「控えめ」だった。仮想通貨の金融派生商品(デリバティブ)の取引量が様々な取引所で分散されてきていることが背景になるとみている。

ビットメックスは、100倍レバレッジなどが有名な仮想通貨取引所だ。

2月20日にビットコインが急落した際には、ビットメックスで1億2000万ドルのロングポジションが清算された