プライバシーを重視した分散型インターネットブラウザのブレイブは、グーグルを一般データ保護規則(GDPR)違反で取り締まるように英国政府機関に働きかけた。
英国の公正取引委員会に対してブレイブは2月12日に書類を送付。ユーザーデータを大量に保有していることによりグーグルが不当な競争優位性を持っていると主張。EU全域にわたる個人情報保護の厳格な法的枠組みであるGDPRを遵守しないことでグーグルがデジタル広告で不当な優位性を得ていると訴えた。
とりわけブレイブは、広告主とメディアをリアルタイムで結ぶことで両者の収益最大化を目指すRTB(リアルタイムビディング)市場の規制のためには、エクスターナル(外部)とインターナル(内部)のデータ双方の規制が必要と指摘。グーグルの様々なサービスから集めた個人情報を使って広告ビジネスで優位性を得ているのが問題とみている。
ブレイブは、英国の公正取引委員会に対して、エクスターナルのRTBデータ違反に対する取り締まりを強化する一方でインターナルの方の規制も始めるべきと提案した。
ブレイブの立場
コインテレグラフとのインタビューでブレイブの広報・ポリシー部門トップであるジョニー・ライアン氏は、グーグルのクロームとブレイブの競争を念頭に置いた話ではなく、消費者を保護するために法律を遵守させる目的で英当局に働きかけたと主張。「RTBは世界における最大級のデータ違反」とし、「数千の企業に個人データが晒されている」と批判した。
ブレイブの主張は、GDPRでグーグルを取り締まれば大量のデータを持つグーグルにとってむしろさらなる優位性をアガ得るのではないかという英当局の懸念に対する回答でもあるという。
ライアン氏は、正しい方法は「断固とした」法律の遵守と主張。もし規制当局が仕事をしなければ「我々は裁判所に行くかもしれない!」と述べた。
ブレイブは、ウェブ広告を閲覧した利用者に独自トークンBAT(ベーシック・アテンション・トークン)を付与するプラットフォームを立ち上げており、日本でも人気だ。
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翻訳・編集 コインテレグラフジャパン