バイナンスが開発したレイヤー1ブロックチェーン「BNBチェーン」の独自トークンBNBが、時価総額で世界第3位の仮想通貨となった。
BNBは金曜日に初めて1100ドルを突破した後、火曜日にはリップルが支援するXRPを抜き、時価総額で第3位の仮想通貨という新たな節目を迎えた。
コインゲッコー(CoinGecko)のデータによると、記事執筆時点でBNBは1326ドルで取引されており、過去7日間で約30%上昇、時価総額は1820億ドルに達している。
この急伸は、カザフスタンで政府支援のBNB基金が設立されるなど、各地域でBNBの採用が進んでいることと時期を同じくしている。一方で、市場の一部では他の仮想通貨に比べて急騰が際立っていることから、価格操作の可能性を懸念する声も上がっている。
BNBの時価総額は380億ドル増、市場全体の上昇の中でも際立つ動き
BNBの上昇は仮想通貨市場全体の回復と一致しているが、その伸びはビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)など主要銘柄を上回っている。
10月1日以降、ビットコインの時価総額は約5%増加した一方で、BNBは7日間で約28%上昇し、時価総額に400億ドルを上乗せした。
第2位のイーサは時価総額約5680億ドルで、同期間に8.4%の上昇を記録した。
比較として、BNBは今年7月中旬に時価総額約1000億ドルから同程度の増加を達成するまでに2か月以上を要しており、これは2025年初頭とほぼ同じ水準だった。
10月1日以降、仮想通貨市場全体の時価総額はわずか5.5%の増加にとどまっており、ビットコインとイーサの市場支配率は徐々に低下している。
コミュニティで高まる成長要因への疑問
BNBの過大な上昇はSNS上で議論を呼び、一部のユーザーは急騰の背後に市場操作があるのではないかと推測している。
レディット(Reddit)のソラナ(SOL)コミュニティでは、BNBの実用性をSOLのようなトークンと比較して疑問視する投稿が見られ、多くのコメントが価格操作の可能性を指摘した。
「BNBは基本的にFTXトークンのようなものだ。価格操作の証拠が出て非難されるのが待ちきれない。その時は痛快だろう」と、最も支持を集めたコメントの一つには記されていた。
また、X(旧ツイッター)上でも操作疑惑が拡散しており、DeFiTracerはバイナンスが「ショートポジションを清算するために数百万枚のBNBを購入している」と指摘し、同取引所がBNB価格の動きを積極的に操っている可能性を示唆した。
CZはBNB流通供給量の64%を保有しているのか
SNS上で市場操作疑惑が広がる中、バイナンスおよび創業者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏を含む経営陣は、この件についていまだコメントを出していない。
CZ氏は火曜日にXで「BNBチェーンの上に構築を続けよう」と投稿し、BNBチェーンの公式アカウントはBNB専門の仮想通貨愛好家モミン・サキブ氏による分析を再投稿した。
サキブ氏は「業界全体が方向性を模索しているように見える一方で、BNBは静かに業界で最も強力な数字を叩き出している」と述べ、BNBチェーンの月間アクティブアドレス数が6000万件を突破し、BNBが過去最高を更新していることを指摘した。
BNBの時価総額が1820億ドルに達したことから、CZ氏個人の保有額は1160億ドルに上る可能性がある。2024年6月時点の報道では、ジャオ氏がBNBの流通供給量の64%を保有しているとされていた。
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