米国の仮想通貨業界団体であるブロックチェーン協会の政策責任者であるジェイク・チャビンスキー氏は、米国が中央銀行デジタル通貨(CBDC)を立ち上げる際に「全体主義的な悪夢」を回避するように注意するべきだと主張している。

チャビンスキー氏は、テキサス州オースティンのSXSWで「キャッシュレス社会における金融監視」パネルに登壇し、CBDCを開始する国には潜在的なプライバシー侵害の懸念があると語った。同氏によると、政府がCBDCを使用して市民を監視できるようになってしまえば、中国がデジタル人民元でやっていることと同じようになってしまうという。

「中央銀行デジタル通貨は、政府の完全な管理下にあるだろう」とチャビンスキー氏は述べた。「政府はいつでもあなたが何に使っているのか、どこで使っているのかを知ることになるだろう。彼らは中央銀行デジタル通貨をプログラムし、制限を設けて『これらの場所でのみ使用でき、他の場所では使えない』とすることができる。彼らはいつでもアカウントを凍結したり、お金を引き上げてしまう恐れがある」。

「私たちの希望は、政府が大統領令によってこの調査を行うとき、権威主義的な独裁を行っている中国とは競争しないという結論に至ってほしい。その代わり、私たちは民間部門で競争力のあるソリューションを引き出す力を与えるべきだ」

Financial Surveillance in a Cashless Society panel at SXSW 2022

今年1月、米連邦準備制度理事会(FRB)は、デジタルドルのメリットとリスクに関するディスカッションペーパーを発行している。FRBは当時、CBDCの潜在的なプライバシー問題を検討すると述べ、「ドルの国際的な役割を維持するのに役立つ可能性がある」と付け加えている。