仮想通貨決済サービスを提供するビットペイが、企業向けにブロックチェーン基盤の大量決済プラットフォーム「BitPay Send」を新たに立ち上げた。

「BitPay Send」は、自社で仮想通貨を扱ったり所有したりしたくない企業が仮想通貨による支払いを大量に処理できるようになるサービスだ。給与の支払いや、請負業者およびアフィリエイトへの支払いに利用でき、顧客へのキャッシュバックや報酬プログラムも処理できる。225の国で利用できるが、受け取る側はKYC(本人確認)手順をクリアし、仮想通貨ウォレットを所有している必要がある。

このプラットフォームを使えば処理時間が日単位から分単位に短縮できる、とビットペイは述べている。

BitPay Sendサービスは、広告プラットフォーム「AdGate Media」がすでに世界各地のアフィリエイトへの支払いに採用している。AdGateのダン・サポツニコフ社長によると、北米やヨーロッパ以外に多くのアフィリエイトがいるが、現地では銀行口座が利用しづらいこともあるため「ビットコインでの支払い」を希望しているという。だが同社は「仮想通貨の購入や保管はしたくなかった」と社長は語る。

「ビットペイにリスクを管理してもらえることは、BitPay Sendを選ぶ上で重要な要素だった。BitPay Sendがあれば、弊社のアフィリエイトに数日ではなく数分で支払うことができる」

ビットペイのスティーブン・ペアCEOは、世界的な取引に仮想通貨で簡単に送金できることは企業にとって大きな魅力だと語る。

「従来の国際的な支払い方法は面倒かつコスト高で、時間もかかる。BitPay Sendを使えば、企業は仮想通貨を購入・所有・管理することなく多額の支払いが可能で、受け取る側も低コストで素早く支払いを受けることができる」

ビットペイは、11年に創業した米国企業。20年の月当たり取引処理数は10万近くに上り、その大部分がビットコイン(BTC)だった。同社はFounders FundやVirgin Group、Index Ventures、Aquiline Technology Growthなど複数の投資会社の支援を受け、7000万ドル以上の資金を調達している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン