仮想通貨取引所ビットメックス(BitMEX)のアーサー・ヘイズCEOが、コインテレグラフ日本版の取材に答え、トークンを使った資金調達であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)市場が復活するとともにイーサリアム (ETH)はすぐに200ドルを試すだろうという見方を示した。ヘイズCEOは、以前の取材に対して、「来年はイーサリアムの反発を狙え」と話していた。

ヘイズCEOは、「イーサリアム(ETH)はまだ上昇すると信じている」と主張。ETHの主なユースケースはICO市場にあると指摘し、次のように見通しを語った。

もしICO市場が復活したら、イーサはすぐに200ドルを試すICOの復活のタイミングは、今後12カ月から18カ月の間だろう

今年に入ってICO市場は低迷している。先月には、今年第3四半期のICO調達額は2030億円で前期の9350億円を大幅に下回り、「全体的に絶望的」というレポートが出た

ICOプラットフォームとして代表的なイーサリアムは、ICO市場とともに衰退。ETHは、過去最高値から90%以上下落し、現在134ドル付近で推移している。しかし、ヘイズCEOの予想が正しければ、今後50%以上プラスになる可能性がある。

(引用元:TradingView「イーサリアム (ETH)/米ドルの推移(5日間)」)

 

「STOは何も新しくない」

一方、低迷するICO市場の代わりとして注目されているのが、セキュリティ・トークン・オファリング(STO)だ。セキュリティトークンは、現実のアセットを裏付けとして発行されるトークン。トークン保有者に収益を分配するなど、セキュリティ(証券)に近い性質を持ち、金融商品関連法令に従って金融商品として発行される。STOが来年のトレンドの一つになると言う見方も多い。

しかしヘイズCEOは、STOは「何も新しいことがない」上に「規制も厳しくなる」と指摘し、次のように述べた。

仮想通貨がエキサイティングな理由は、これまで金融市場と関わりのなかった世界中の個人投資家を引きつけられた点だ。STOは、ビットコインETFやSPV(特別目的事業体)のような形で規制され、個人投資家は参加できなくなる。だからSTOは日の目を見ずに終わる。」

ヘイズ氏は、STOに対して、「存在意義には欠陥があるものの、現在苦境の投資家は、楽に金持ちになる手段と信じており、しがみつくだろう」と発言していた

ビットメックスは、ビットコインのレバレッジ取引で世界最大の仮想通貨取引所。21日にコインテレグラフ日本版は、ビットメックスが親会社を通して間接的に株式会社BITOCEAN(ビットオーシャン)の株式を取得することで、日本進出を本格化していくのではないかと報じた。