仮想通貨マイニングハードウェア企業のビットメインは、製品の発送に遅れが生じている。ビットメイン内部での幹部間の主導権争いが影響しているようだ。

8月6日のビットメインの発表によると、ビットメインは「会社運営への外部からの干渉」のため、2020年6月と7月に予定されていたマイニング装置「Antminer」の発送が少なくとも2~3ヶ月遅れることになるという。発表では、6月と7月に発送予定だったものは、今年9月~10月に延期されるという。

ビットメインの内部闘争

ビットメインは発表の中で「外部からの干渉」と言及しているが、業界の一部専門家は、発送遅延はビットメイン内部の問題が原因であると確信している。

ブロックチェーン投資企業プリミティブ・ベンチャーズの創設パートナーであるドビー・ワン氏は、ビットメインの共同創設者でビットメインから追放されたミクリー・ザン氏と、現在のCEOでもう1人の共同創設者あるジハン・ウー氏との間で進行している内部闘争が発送遅延の引き金になったとみている

ビットメインの社内での権力争いは、昨年10月にザン氏がウー氏によって突然解任されたことが発端だ。ザン氏は、ビットメインでの立場を取り戻すため、法的措置などを行っている

今年5月には、ビットメインの最高財務責任者であるルーヤオ・リュウ氏が、ザン氏への暴行容疑で警察に逮捕されたとの報道も出ている。ザン氏が北京市商工管理局で「北京比特大陆公司(北京ビットコイン社)」の営業許可を取得しようとしたところ、複数人の集団との間で乱闘騒動となったようだ。

また7月には新たな問題が生じている。ビットメインが所有するAntminerのウィーチャットチャンネルへの新しい投稿によれば、ビットメインの元スタッフがモンゴルにある会社所有施設から1万台のAntminerのビットコインマイニング装置を「違法に移動させた」という。

これらの装置は、AntminerのS17およびT17シリーズのモデルと主力のS9マイナーが、7月中旬に持ち出され、「会社と顧客に深刻な経済的損失」を引き起こしたという。事件は、警察と公安当局に通報されたと報告されている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン