仮想通貨デリバティブ取引所デルタ・エクスチェンジは、仮想通貨ビットコイン(BTC)のボラティリティを毎日追跡するオプション契約「ムーブ」において、過去30日間で25%増にあたる800万ドル(約8億6000万円)相当の取引が実施された。4月16日にコインテレグラフに共有したプレスリリースにおいて明らかにした。また、同期間にイーサリアム(ETH)のボラティリティを追跡する契約でも100万ドル(約1億円)相当の取引があったそうだ。

同取引所のパンカジ・バラニCEOは次のように述べた。

「3月前半2週間は、BTCのMOVEにおいてちょうど100万ドル以上が取引されていたが、3月後半の2週間で250万ドル(約2億7000万円)に近づいた。以降、ボラティリティの冷え込みにもかかわらず、MOVEの取引高は高く4月はすでに400万ドル(約4億3000万円)以上が取引されている。ETHのMOVEも同様の傾向だ」

ボラティリティの高い環境下で取引高増加

デルタ・エクスチェンジによると、800万ドル相当の取引は、取引高が25%増加したことを示しているという。バラニCEOは、トレーダーがオプション契約への関心を高めているとして、その理由を説明した。

「トレーダーは、ボラティリティの高い環境を利用してオプションを売っている。3月13日のビットコイン大暴落でボラティリティが250%に急上昇したため、これらの製品で強い売りが見られた。(中略)我々はボラティリティの高い環境にいる」

バラニCEOは、ビットコインが大暴落した3月13日以前のボラティリティは、40%~50%だったと指摘した。暴落後ボラティリティが5倍に増加したという。ボラティリティが再び低減した現在、MOVEは再び買い手優位になっていると結論づけた。

バラニCEOによると、BTCとETHには2種類のタイプのMOVEがあるそうだ。ひとつは現在と翌日のボラティリティを追跡し、もうひとつは現在のオプション契約の期限が切れると取引を開始する。トレーダーは、マッチングが始まる前に翌日の契約の指値注文を設定できるという。バラニCEOは次のように述べた。

「事前にリストアップした契約があると、契約開始時にトレーダーは当日から翌日までポジションをとる機会を得られる」

バラニCEOは、MOVEはコールオプションとプットオプションをまとめたものと説明した。MOVEの目的は、トレーダーが容易にオプション取引を行えることだという。

「MOVEの取引は、BTCまたはETHの明白な値動きで先物取引を行うようなものだ。トレーダーは先物取引の仕組みに精通しているため、MOVEの取引は、個々のオプション取引よりもはるかに簡単だ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン