ビットコイン(BTC)は現在、12万ドル付近の高値圏で取引されているが、フィデリティのグローバルマクロ部門ディレクターであるジュリアン・ティマー氏によれば、普及サイクル全体から見れば「まだ序盤」にすぎないという。

ティマー氏は、ビットコインの成長曲線が過去のインターネットの普及カーブと極めてよく似ていると指摘し、次のように述べた

「ビットコインは、そのウォレット数に基づくパワーロー(べき乗法則)のカーブと、インターネット普及モデルに基づく私の需要モデルの両方に沿って推移している。我々はいま、ちょうどその中間地点にいる」
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Bitcoin Valuation Model analysis. Source: Jurrien Timmer/X

この分析では、ビットコインが新高値をつけては保ち合うという階段状の価格推移を示しており、まだ成熟過程にある資産であり、決して飽和状態には達していないと見ている。ティマー氏のモデルによれば、ビットコインの価格が最終的に向かうとされる上限は20万〜30万ドルのレンジに位置している。

この視点は、現在進行中の企業によるビットコイン導入の波とも一致する。ビットワイズのデータによれば、2025年第2四半期には46社の上場企業がビットコインをバランスシートに追加し、その総数は125社に達した。これらの企業が保有するビットコインは合計84万7000BTC、評価額はおよそ910億ドルに上る。

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Source: Bitwise/X

さらにこの動きを後押しするのが、仮想通貨のデジタル資産投資商品への資金流入である。直近の週には過去2番目に多い37億ドルの資金が流入し、仮想通貨投資商品の運用資産残高(AUM)は過去最高の2110億ドルを記録。そのうちビットコインを裏付けとする商品は1795億ドルを占め、全体の85%に達している。

この巨額流入について、ティマー氏は「これらの資金が本物の信奉者からのものなのか、それとも『モメンタム狙いの一時的な投資家』によるものなのかは判断が難しい」とコメントしている

ボルコン、ビットコイン準備金戦略に参入

電動パワースポーツ車を手がける上場企業ボルコン(Volcon)は、ビットコイン準備金戦略を導入した最新の企業となった。同社は木曜日、5億ドルの私募を発表し、その95%をビットコイン購入に充てる方針を明かした。エンペリー・アセット・マネジメントとジェミニが支援し、同社はEV事業を「アセットライト」型へ移行する中で、低コストかつ資本効率の高いBTC戦略を展開する計画だ。

企業による導入に加えて、ビットコイン価格が過去最高の12万3000ドル超に到達したことで、新たな投資家も市場に参入している。報道によれば、初めてビットコインを購入する投資家が、過去2週間で14万BTC以上を買い入れた。これにより、新規参入者の保有量は477万BTCから491万BTCへと2.86%増加した。

これらのデータは、FOMO(取り残されることへの恐れ)が再燃していることを示唆しており、新規・既存の参加者が強気相場に積極的に資金を投入することで、ビットコインの上昇を実需が支える構図が鮮明になっている。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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