ビットコインの価格変動率は1年以上ぶりの最低水準にあり、底形成の可能性を示している。先物ブローカーのビル・バルーク氏が18日、CNBC向けの相場分析で述べた

 ブルーライン・フューチャーズの社長を務めるバルーク氏の指摘によれば、17年12月のピーク時から70%もその価値を失った後の、ビットコイン(BTC)の価格変動率の低下は、「売りが出尽くした」ことを示すサインであるという。

「底はプロセスであって、価格ではない。現在、ビットコインの価格と変動率は下がり切っており、底を形成し始める可能性がある」

 バルーク氏は昨年12月にビットコインの価値が急騰したことについて、CMEとCBOEでのビットコイン先物の開始が原因との考えを示した。「大量の投機と乗り遅れる恐怖」が、仮想通貨分野の「急過ぎる青天井相場」を引き起こしたという。

 その後に起こった急落は、現在までに「過度な熱狂相場の、全部ではないが大部分を帳消し」にしたと、バルーク氏は示唆する。そして近い将来において、ビットコインの最近の安値6000ドルが維持されれば、底が「より速く、より確実に」形成されるだろうと述べた。しかし同氏は、ビットコインの100週移動平均が現在4550ドルまで下がっていることを指摘し、自らの分析についてやや表現を弱めた。

 バルーク氏はビットコインの6ヶ月にわたる下降トレンドについて、終値で1万1300ドルを上回るまで続くと考えている。一方、短期的なダウントレンドについては、終値で8500ドルを上回るかどうかにかかっているとする。

 同氏は、長期的な観点では「大きな上値余地」があると主張する一方で、1万ドルを「越えがたい重要なライン」と指摘し、同水準で売ることさえ助言する。

 今月、ビットコインの先行きに対する、その先物市場の影響を巡り、賛否の分かれる一連の議論が見られた。ファンドストラット社のトム・リー氏はビットコインの「価格変動率の大きさ」について、CBOEの先物契約の満期のタイミングに起因するとの考えを示した

 6月13日にテキサス大学の教授が発表した論文は、かなり話題になった。同論文は、米ドルを裏付けとする仮想通貨のテザー(USDT)が、組織的な市場参加者らにより、「価格維持と価格操縦の目的」で利用されたと主張した。先物契約での短期的な利益を最大化するため、ビットコイン価格を人為的に下落させという。

 さらに今月、米商品先物取引委員会(CFTC)が主な米仮想通貨取引所を調査していたことが、報道により明らかになった。この調査は、価格操作がビットコイン先物市場の信用を傷つけている可能性に関する、CFTC独自調査の一環として行なわれている。