ビットコイン(BTC)は4月6日の週末にかけてボラティリティを強めた。株式市場の暴落懸念と強気なBTC価格予想が対立する中での展開となった。

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BTC/USD 1-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView

CNBCのクレイマー氏「1987年型の暴落はまだ“排除できない”」

Cointelegraph Markets ProとTradingViewのデータによると、BTC/USDは同日8万ドルを下回り、週初から3%下落した。

その間、米国の貿易関税や景気後退懸念がリスク資産全体に大きな損失をもたらし、複数回にわたって急激な値動きが見られた。

米国株は特に大きく下落し、S&P500とナスダック総合指数は4月4日の取引をいずれも約6%安で終えた。

「今週のトランプの関税発表で株式市場の時価総額が8.2兆ドル失われた。これは2008年の金融危機で最悪だった週を上回る損失だ」と、作家で金融評論家のホルガー・ツシャピッツ氏はXで投稿した。

Bloomberg World Exchange Market Capitalization chart. Source: Holger Zschaepitz/X

この悪い週末の終わり方を受けて、今週の市場の立ち上がりを不安視する声も出ており、SNSでは1987年の「ブラックマンデー」との比較も浮上している。

「弱くなった新しい世界秩序を即席で構築するのは難しい」と、CNBCの「Mad Money」司会者ジム・クレイマー氏は週末にXで述べた。

「必死でやろうとしているが、1987年10月のようなシナリオが排除されたとは思えない。底値を拾った連中は今のところ完全にやられてしまっているよ」

S&P 500 1-day chart. Source: Cointelegraph/TradingView

クレイマーは以前、1987年型のシナリオが起きる可能性を番組内で警告していたが、その後はサーキットブレーカーなどの市場制御装置が「進行を遅らせる可能性がある」とも述べていた。

ビットコイン界隈でも、市場の短期的な動きについて大胆な予想が飛び交った。著名かつ物議を醸すビットコイン支持者マックス・カイザー氏は、BTC/USDが今月中に22万ドルに達するとの予測を示した。

「1987年型のメガクラッシュが起これば、数兆ドルの富が最終的な安全資産であるビットコインに流れ込み、今月中に22万ドルに到達するだろう」と、クレイマーへのXの返信の一部で述べた。

ビットコイン、株のようには崩れず

トレーダーの間では、ビットコインと株式市場に対する見方の違いが一段と鮮明になっている。

先週の関税ショックの影響をビットコインが比較的耐えたことから、今週はBTC価格の上昇が期待できるとの見方もある。

人気トレーダーのDaan Crypto Tradesは、「ビットコインのボラティリティがどんどん低下する一方で、株式のVIX(恐怖指数)は2020年のコロナショック以来の高水準で引けている」と指摘した。

「これはかなり珍しい現象で、この圧縮状態から判断すると、来週には仮想通貨市場に大きな動きがあるとかなり確信している。上か下かは、株式市場が週初に底を打てるかどうかにかかっているだろう」

BTC/USD vs. VIX volatility index chart. Source: Daan Crypto Trades/X

トレーダーのCas Abbeは、BTC/USDが最近つけた7万6000ドルの安値について、典型的なフェイク・ブレイクダウンにすぎない可能性を指摘した。

「ETF承認後の急落や2024年8月の暴落と何も変わらない」とし、「週足で9万2000ドルを取り戻せば、上昇トレンドが再確認できる」と述べた。

BTC/USDT 1-week chart. Source: Cas Abbe/X