ビットコイン(BTC)は火曜日に一時9万9000ドルを下回り、重要なマクロ指標を割り込んだことで市場の行方をめぐる議論が再燃している。

データ分析プラットフォーム「クリプトクアント」のリサーチ責任者フリオ・モレノ氏によると、ビットコインは365日移動平均線を下回った。

モレノ氏はXへの投稿で「これは2022年の弱気市場入りを確定づけた最終シグナルと同じだ」と述べ、「価格はできるだけ早くこのラインを再び上抜ける必要がある」と警告した。

コインベースのデータによると、ビットコインは火曜日に一時9万8900ドル付近まで下落し、数カ月ぶりの安値を記録。その後やや持ち直し、記事執筆時点では10万1800ドル前後で取引されている。

「分岐点」に立つビットコイン

365日移動平均線は、過去1年間の平均価格をもとに市場トレンドを把握する重要なテクニカル指標であり、ビットコインのセンチメントを測る上で最も重視されるラインの1つとされる。

市場関係者の間では、このラインを下回ることが重要な弱気シグナルと広く認識されている。

ビットコインが365日移動平均を下抜けたのは今年初めてではない。仮想通貨アナリストのデコード氏によると、4月にも一時的に同ラインを下回ったという。

Source: Decode

「日常的な調整」と見る声も

仮想通貨取引所ビットルーのリサーチアナリスト、アンドリ・ファウザン・アジイマ氏は、「火曜日の下落により、ビットコインは正式にテクニカルな弱気市場に入った」と指摘した。

ただし同氏は、「これは2025年の強気サイクルにおける4回目の調整にすぎず、“冬の到来”ではない」と述べ、過去データでは20%下落後に60日以内で40%の反発が起きるケースが多いと指摘した。

一方、資産運用会社アルゴズ・テクノロジーの投資・トレーディング部門責任者トム・コーエン氏は、「ビットコインが10万ドルのサポートラインを明確に割り込まない限り、弱気市場入りとは言えない」と述べた。

コーエン氏は「10万ドルの壁が維持される限り、年末に向けた“サンタクロース・ラリー(年末上昇相場)”が起こる可能性もある」とし、その行方は「トランプ大統領の今後の政策動向や、12月の米金利決定といったマクロ要因に大きく左右される」と付け加えた。

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