採掘難易度が過去最大の軟化を記録したことがきっかけで、ビットコインのマイナー収入が急増しているようだ。

Blockchian.comのデータによると、1日のマイナー収益が50%以上も急増している。

BTCマイニングで「興味深いダイナミズム」

ビットコインのマイニングは現在、ユニークな状況にある。中国から移転を進めているマイナーのハッシュパワー半分がオフラインとなっており、これがオンラインに戻るかは未知数だ。

一方で、強力な競合が半数も動いていないことで、中国の規制の影響を受けていないマイナーは収益性が向上している。

ここ数週間のデータを見ると、変化の大きさは一目瞭然だ。難易度調整の前日、3日の1日あたりのマイニング収益は約2070万ドルだった、それが難易度調整を過ぎた1日後には2930万ドル、6日には3190万ドルまで上昇した。

Bitcoin miner revenue chart. Source: Blockchain.com

仮想通貨データ分析企業グラスノードはニュースレター「The Week On-chain」で、「非常に興味深いダイナミズム」の結果だとまとめている。

「プロトコルは現在、通常と同じ数のコインを発行しているが、採掘難易度が低下しているため、ネットワークの半分は収入が2倍になり、残りの半分は基本的に何も生み出さないという状況になっている」

Bitcoin mining revenue distribution annotated chart. Source: Glassnode

活動中のマイナーにとっては、収益性はBTC/USDが55,000~60,000ドルで取引されていた頃のレベルに戻っている。

ブロックタイムが2009年の水準に

平均ブロックタイムは過去1週間で、ビットコインが「準備段階」にあった2009年から2010年の水準に近づいている。これはビットコインが米ドルでしっかりと値付けが付く前の状態で、10年間で過去最高水準だ。ブロックタイムの時間の増加は「マイナー降伏(投げ売り)」を引き起こす。ただ、これは採掘難易度の低下やビットコイン価格によって改善される。

Bitcoin mean block interval annotated chart. Source: Glassnode

この指標は、特に、新しいコインをマイニングできず、ブロック報酬や手数料の分配を受けられないのに、移転費用のためにビットコインを売却している人がいることを示している。

その一方で、ブロックあたりのBTCを消費量よりも多く保有している人もおり、価格が50%以上も下落しているにも関わらず、一部の人には上昇トレンドが続いているということになる。

「これは注目すべきことだ」とグラスノードは述べている。