ビットコイン(BTC)マイニング事業で知られるコンピューティング・インフラ企業ビットファームズは、AIや高性能コンピューティング(HPC)向けのデータセンター開発に向け、マッコーリー・グループと3億ドルの融資契約を締結した。

4月2日の発表によると、この融資契約により、マッコーリーはまずペンシルベニア州にあるデータセンター・プロジェクト「パンサークリーク」向けに5000万ドルの初期資金を提供する。

残る2億5000万ドルについては、パンサークリークの開発において「特定のマイルストーンが達成された時点」で段階的に提供される予定だという。

パンサークリークが完成すれば、複数の電源から供給を受ける、約500メガワット規模の設備となる見通しだ。

マッコーリー・グループのアソシエイトディレクター、ジョシュア・スティーブンス氏は「プロジェクトが本格着工すれば、HPCテナントにとってパンサークリークは非常に魅力的な施設となるだろう」と述べている。

このプロジェクトは、AIアプリケーションの需要急増により、計算能力およびデータストレージ容量の新たな供給源が求められている状況の中で進められている。ビットコインマイナー各社は、2024年の半減期を経て安定収益の確保を図るため、AI・HPC領域への進出を加速させている

一方で、ビットファームズは直近の四半期報告書の中で、「電力供給能力の拡張に関して規制上の課題に直面している」と明かしており、承認取得までには12~36か月を要する見込みだという。

当面は、1億2500万ドルで買収を進めているストロングホールド・デジタル・マイニング社が、新たな供給能力の中核を担うとビットファームズのベン・ガニオンCEOは投資家に説明している。

マイナーはビットコインをHODL

ビットファームズは、2024年第4四半期に合計654BTCをマイニングし、1BTCあたり平均6万800ドルの現金コストがかかったと報告している。

他のマイナーと同様に、ビットファームズも採掘したビットコインの多くを保持する戦略を取っており、現在は1152BTCを保有している。これにより、同社は上場ビットコイン保有企業の中でも上位25社にランクインしている。

ハイブ・デジタルのような他のマイナー企業も、長期的なビットコイン保有(いわゆる「HODL」)戦略を強化し、バランスシートの強化を図っている。同社の保有残高は2620BTCに達している。

また、MARAホールディングスは現在4万6374BTCを保有しており、さらにビットコインを買い増すために20億ドル規模の株式発行を予定している

ビットファームズ同様、ハイブ・デジタル、コア・サイエンティフィック、ハット8、ビット・デジタルといった企業も、AIおよびHPC分野への戦略的シフトを進めている。

ハイブの幹部はコインテレグラフに対し、一部のNvidia製GPUをAIタスク向けに再活用しており、AIアプリケーションは1時間あたり2ドル以上の収益を生み出す可能性があると説明した。これは、仮想通貨マイニングによる1時間あたり0.12ドルの収益と比べて大きな差があるという。