過去数日間、仮想通貨相場は方向感のない展開が続いたが、22日にビットコインの価格が1分以内に300ドル近く急騰した。仮想通貨取引所ビットメックスがメンテナンスを始めたタイミングだったという指摘が大半を占める一方、23日に迫った次回のビットコインETF承認に対する期待感もあるのではないかという見方もある。

 ビットメックスのメンテナンスが始まったのが日本時間22日の午前10時。CCNは、これと同じタイミングで1分以内にビットコイン価格が6466ドルから6745ドルまで急上昇したと伝えている

 ビットメックスは、証拠金に100倍のレバレッジをかけてビットコインを取引するサービスを提供することで知られている。

 ビジネスインサイダー・オーストラリアは、ビットメックスのメンテナンスによって価格差を利用して利ざやを稼ぐ裁定取引の絶好の機会が生まれたほか、ビットメックスでビットコインの売り(ショート)ポジションを持っている多くの投資家が、メインテナンスと同時に買いが入ったことで足元をすくわれた可能性があると分析した。メインテナンス終了後にもビットメックスにはアクセスしづらい状況が続いているという。

「だからビットメックスが取引停止する時、私はポジションを取りたくないんだ」

 一方、今回のビットコイン急上昇は、次回の米国証券取引委員会(SEC)によるビットコインETF(上場投資信託)の承認期限が23日に迫っていて、それに期待する投資家の心理が反映されているのではという見方も出ている。

 また、仮想通貨取引所ビットフィネックスにおけるビットコイン(BTC)/ドル(USD)の売り注文が過去最高に迫っていることも一因かもしれない。同じような現象が起きた4月12日には、ショート筋のポジションを損切りするショートスクイズによって24時間でビットコイン価格が16%以上も上昇した。

参考記事
ビットコインの売り注文が過去最高付近=仮想通貨取引所ビットフィネックス 今後の展開は?
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