欧州中央銀行(ECB)元総裁のトルシェ氏は、ビットコイン(BTC)は通貨の性質を欠いており、単なる投機だとの見解を示した。11月10日にチャイナ・モーニング・ポストが、北京で開催された中国メディアグループ「財新」のカンファレンスでの発言として報じた

トルシェ氏は、仮想通貨は真の通貨の性質を欠いているとして、未来のカネになる可能性について否定的な見方をしている。

「私は、ビットコインに強く反対だ。我々はちょっと甘く見過ぎているのだろうと考える。(中略)その通貨自体は、通貨が持つべき性質を備えておらず、本物ではない

トリシェ氏はまた、仮想通貨を購入することは、多くの点で、単なる投機だと説明した。仮想通貨が現物の資産に裏付けされているとしても、投機の要素は大きく、「健全でない」と結論付けた。

トリシェ氏はさらに、フェイスブックのステーブルコイン「リブラ」を支持しないとし、国際通貨基金(IMF)が加盟国の準備資産を補完する特別引出権(SDR)の方がまだよいとの見方も示した。SDRは、米ドル、ユーロ、英ポンド、人民元、日本円といった通貨のバスケットに裏付けされており、IMF加盟国の準備金を補完するもの。

「(その仮想通貨の)領域内で貨幣価値のコントロールを維持できるとは非常に疑わしい。(中略)いわゆる新しいステーブルな国際通貨においては、(中略)SDRが正しいバスケットだろう」

トリシェ氏はまた、紙幣や硬貨が使用されなくなるとしても、仮想通貨が取って代わるということはないだろうとも述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン