ツイッターの創設者であり、長年にわたりビットコインを支持してきたジャック・ドーシー氏が、BTCの本質をめぐる議論を再燃させた。

ドーシー氏は19日、X(旧ツイッター)に「Bitcoin is not crypto(ビットコインは仮想通貨ではない)」と投稿。この短いメッセージは4,000件を超えるコメントを集め、大きな反響を呼んだ。

一部のユーザーは、匿名の創設者サトシ・ナカモト氏が2010年にBitcointalkフォーラムでビットコイン(BTC)を「ピアツーピアの仮想通貨」と表現していたことを指摘したが、ドーシー氏はその中の「currency(通貨)」という言葉に注目し、ビットコインの金融的起源を強調した。

初期のビットコイン支持者でもあるドーシー氏は、以前からビットコインの創設に関与していたとの噂が絶えない。今年初めには、deBankedのショーン・マレー氏が複数の状況証拠をまとめたリストを公開したが、いずれも裏付けは取れていない。ドーシー氏は2020年、レックス・フリードマン氏のインタビューで「私がサトシなら、あなたに言うと思いますか?」と述べ、関与を否定している。

「ビットコインのホワイトペーパーには“crypto”の言葉はない」

ドーシー氏はビットコインの起源に立ち返り、2008年に発表されたホワイトペーパーには「crypto」という語が一度も登場しないことを指摘。これをもって、ビットコインが「仮想通貨業界全体」とは異なる存在であると主張した。

ホワイトペーパーでは、ビットコインを「純粋なピアツーピア型の電子現金」とし、「信用ではなく暗号学的証明に基づく電子決済システム」と定義している。

An excerpt from the Bitcoin white paper. Source: Bitcoin.org

サトシ・ナカモト氏も2010年7月のBitcointalk投稿で、ビットコインを「中央サーバーを不要にするため暗号技術と分散型ネットワークを用いたデジタル通貨」と説明している。

では、ビットコインとは何か

ドーシー氏は「仮想通貨」との違いを強調しつつ、1時間前の投稿でその答えを明かしていた。「Bitcoin is money(ビットコインはお金だ)」という短い一文である。

ドーシー氏は、自身の金融サービス企業ブロック(Block)および決済部門スクエア(Square)によるビットコイン決済の「手数料ゼロ」化の進展を挙げ、ビットコインを「お金」として擁護した。

同氏は「2026年に手数料ゼロを導入予定のスクエア決済に対し、地元市場のすべての店舗がビットコイン決済を導入した」とするユーザーの投稿を引用し、BTC決済の普及に期待を示した。

ドーシー氏は4月にも、メッセンジャーアプリ「シグナル」にビットコイン決済機能の導入を呼びかけるなど、BTCを決済手段として推進してきた。

Source: Jack Dorsey

ドーシー氏は、ビットコインは「価値の保存手段」だけでは成功しないと考えており、決済手段としての役割を維持することが不可欠だとしている。

コミュニティ内での反発

一方で、ドーシー氏の見解には異論も出ている。批判者はビットコインの拡張性の限界を指摘し、処理の遅延や高額な手数料が「お金」としての実用性を損なっていると主張している。

また、「ビットコインは仮想通貨ではない」という発言に対しては、ビットコイン至上主義者とアルトコイン支持者との間の溝を象徴するものだとする声も上がっている。

Source: David Schwartz

リップルの最高技術責任者(CTO)を年内に退任予定のデービッド・シュワルツ氏もこの議論に加わり、「ジャックが何を伝えたかったのかよくわからない」と述べ、「おそらく、ビットコインを投機資産ではなく決済システムとして見るべきだと言いたいのだろう」とコメントした。

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