3月5日、ビットコイン(BTC)は歴史上初めて69,200ドルを突破し、新たな記録を樹立した。同時に、伝統的な金融市場で金が史上最高値を更新したことで、ビットコインコミュニティにとって記念すべき瞬間となった。
TradingViewのデータによると、金現物は3月5日午後1時30分頃(UTC時間)、2,130ドルで史上最高値を更新し、2023年12月初旬につけた2,000ドルの過去最高値を上回った。
ビットコインも2時間足らずで歴史的な高値を更新し、同日午後3時(UTC時間)に69,210ドルを記録した。ビットコインの前回の最高値は、2021年11月9日に記録した69,000ドル。
価格チャートによると、2009年のビットコイン誕生以来、金とビットコインが同時に新記録を達成したのは今回が初めてだ。
金とビットコインは、法定通貨とインフレに対する潜在的なヘッジとして見られることが多いため、今回の同時高騰は「法定通貨にとって最悪の日」としてコミュニティで話題になった。

一部のアナリストは、金とビットコインが最高値まで上昇しているのは、将来的に金利が低下し、国債残高が管理しやすくなるとの見通しがあるからだと考えている。
StoneXのグローバル調査責任者、マシュー・ウェラー氏は、金とビットコインの同時高騰は、先進国全体で比較的高い金利(4.5%以上)と、中東や東欧における地政学的緊張の高まりを背景に起こっていると指摘した。
「投機意欲の高まりからしぶといインフレ、記録的な債務水準、そして中東や東欧における継続的な地政学的緊張に至るまで、現在の状況下でトレーダーが法定通貨以外の代替手段を求める理由はいくつもある。」
ビットコインについては、4年に一度の半減期イベントへの興奮と、米国におけるビットコイン現物上場投資信託への大量の資金流入が、現在進行中の上昇に大きく寄与している、とウェラー氏は指摘した。
史上最高値更新を受け、一部の著名なビットコイン強気派は、金よりもビットコインへの信頼を表明している。
3月5日、億万長者の投資家マーク・キューバン氏はCNBCのインタビューで、「私は毎日、金よりもビットコインに投資している」と発言した。
一方、著名な金強気派のピーター・シフ氏は、キューバン氏の発言に反論。「このサメ(キューバン氏は人気投資番組シャーク・タンクに出演している)は間違った水槽を泳いでいる」とツイートした。
コインゲッコーのデータによると、ビットコインは今年に入ってから52%上昇。一方で金現物は1月初めから約2%上昇している。