ヴァンエックの戦略アドバイザーであるガボール・グルバックス氏は、エルサルバドルが「アメリカ大陸のシンガポール」となる可能性があると指摘している。

「私はしばしばポートフォリオマネージャーや資産配分担当者に、エルサルバドルはアメリカ大陸のシンガポールになる可能性があると言っている」と、グルバックス氏は10月28日のX(旧Twitter)の投稿で説明した。

シンガポールが1990年代後半に経済的に急成長し、アジアの金融ハブとなったように、エルサルバドルにもその可能性を見ているようだ。彼はエルサルバドルの経済成長を牽引する主な要因として、新しい資本投資と移民を挙げている。

彼のコメントは、ビットコイナーであるマックス・カイザー氏の10月28日の投稿「#エルサルバドルに移住せよ、新たな自由の地」に応えたもの。

現在エルサルバドルに居住するカイザー氏は、ビットコイン(BTC)と米ドルの法定通貨としての地位、エルサルバドルの犯罪の取り締まり、素晴らしいビーチやコーヒーなど、中米国家が注目に値する主な理由としている。

エルサルバドルの新興経済としての地位は、2019年6月にナジブ・ブケレ氏が大統領に選出された際に一段と注目されるようになった。

エルサルバドルの国債は今年、他の多くの新興市場を上回る驚異の70%のリターンを記録し、8月までにはJPモルガンなどの大手投資銀行の注目を集めた。

ブケレ政権は2021年9月にビットコインを法定通貨として認め、同週には全てのエルサルバドル市民向けにビットコインのカストディウォレット「Chivo Wallet」を導入した。

エルサルバドルはまた、火山の資源を活用してビットコインのマイニング事業を展開するスタートアップ、ボルケーノ・エネルギー(Volcano Energy)が電力供給を行っており、これは10億ドルの投資を受けて6月に立ち上げられた。カイザー氏は同社のエグゼクティブチェアマンを務めている。

同社の最初のマイニングプールは、10月にビットコインのマイナー、Luxor Technologyとの提携を受けて立ち上げられた。

5月には、エルサルバドルは「The Bitcoin Standard」の著者であるサイフディーン・アモス氏を、国家ビットコインオフィスの経済アドバイザーとして任命した。同国は、今後5年間で債務を解消する戦略としてビットコインを積み増す計画だ。