仮想通貨取引所クラーケンが、10月12日、「いつも通りのビットコイン」というタイトルの9月レポートを公開した。「スマートマネー」の勢いが衰えておらず、良好なファンダメンタルズが価格に反映されていない可能性を指摘した。

衰え知らずの「スマートマネー」勢

クラーケンによると、「スマートマネー」と呼ばれる1000BTC(約11億円)から1万BTC(約110億円)を保有するアドレス数が増加している。

(出典:Kraken「1000BTC〜1万BTC保有のアドレス数」)

9月30日時点で「スマートマネー」勢が保有するビットコインは全体の28%に相当し、3月以降で合計31万BTC(3500億円)も集めたという。現在もスマート勢のアドレス数の増加に衰えはみられていない。

「このようなアドレス数の増加や保有コインの増加は新たなクジラ(大口投資家)と現存するクジラが未だに休憩をしておらず7ヵ月に及ぶ蓄積フェーズを終えていないことを示している」

良好なファンダメンタルズ

ビットコインのファンダメンタルズも良好だ。

ビットコインのハッシュレートの7日移動平均は2019年から右肩上がり。価格の値動きと乖離が見られており、良好なファンダメンタルズが価格に反映されていないことを示しているかもしれない。

(出典:Kraken「ビットコイン価格とハッシュレート」)

ハッシュレートはマイナーがビットコインのトランザクションの処理にどれだけの計算力がかかっているのかを測るものだ。平均値が高ければマイナーが収益性を

重視していることを示しており、ハッシュレートと価格には相関性がある。

また、1日あたりのアクティブアドレス数の7日移動平均が9月に過去数年で最高水準を記録した。

クラーケンは「ビットコインの基盤となるユーティリティとこれまでにないほど増加する需要が価格にまだ反映されていないことを示している」と分析した。

2010年以降で初の移動

一方、2010年にマイニングされた1000BTC(約11億円)が10年ぶりに初めて移動した。仮想通貨トレーダーのキリルKがLinkedInへの投稿で明らかにした。

1000BTCは、まず、35DRQxCBMBe3Erbcue791t89JVB2VwsJi4に移動。その後、81の異なるウォレットに分けられた。

久しぶりに価格が動き出したタイミングでの移動とあって、今後も該当アドレスの動きには注目が集まるだろう。