米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)が6月24日、単日としては6月最大となる5億8860万ドルの資金流入を記録した。これにより、11営業日連続の純流入となり、2024年12月以来最長の連続流入記録を更新した。

ファーサイド・インベスターズのデータによると、流入の大半はブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)によるもので、単日で4億3630万ドルの資金を集めた。

フィデリティのFBTCがそれに続き、2億1760万ドルを記録。ビットワイズやヴァンエックのETFも小規模ながら流入があった。一方で、グレースケールのGBTCは引き続き流出が続き、この日は8520万ドルが流出した。

6月10日からの11営業日で、ビットコインETF全体では22億ドル超の資金が流入しており、地政学的な緊張が続く中でも機関投資家の関心が高まっていることがうかがえる。

Source: Farside

イスラエルとイランの停戦で市場に安堵感

ビットコインETFおよび仮想通貨市場全体は、イスラエルとイランの停戦合意を受けて大きく上昇した。

トランプ米大統領が23日、「完全かつ全面的な停戦」を発表したことにより、市場は安心感を取り戻し、ビットコインは一時10万6800ドル超まで上昇。これは6週間ぶり安値となる9万8000ドル付近からの急反発となった。

台湾拠点のクロノス・リサーチで最高投資責任者を務めるヴィンセント・リウ氏はコインテレグラフに対し、「現物ビットコインETFへの継続的な資金流入は、BTCが“デジタル・ゴールド”としてのナラティブを強めていることを示している。投資家は希少性を通じた安定性を求めている」と述べた。

「少しずつではあるが、ビットコインは急変する地政学環境の中で、レジリエンスを持つ避難先としての地位を強化している」

なお、ビットコイン以外では、イーサリアム(ETH)をベースとしたETFはまちまちの動きとなった。ヴァンエックのEFUTは単日で9800万ドルの流入があったが、グレースケールのETHEでは2670万ドルの流出となった。

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市場はマクロ経済のシグナルを待つ展開に

一方、NoOnesのレイ・ユセフCEOは今回のビットコインの反発について、「本格的なブレイクアウトというよりも安堵感による上昇であり、市場が緊張状態から“ひと息ついた”に過ぎない」と指摘した。

ユセフ氏はコインテレグラフに寄せたメモの中で、今回の反発は「投資家の確信が戻ったというよりは、長引いた緊張を経て息をようやく吐き出した」ようなものだと述べた。

イスラエルとイランの停戦にもかかわらず、今週は重要なマクロ経済イベントが相次ぐため、市場参加者は依然として慎重姿勢を崩していない。米FRBのジェローム・パウエル議長による議会証言や、PCEインフレ統計などが今後の相場を左右するとみられる。

ユセフ氏は、明確なシグナルが出るまでは、ビットコインが10万〜10万6000ドルのレンジで保ち合いを続ける可能性が高いと分析。10万6200ドル付近には強いレジスタンスがあり、10万ドルを割り込んだ場合は9万3000ドルまでの下落リスクがあると述べている。

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