米国のビットコイン(BTC)上場投資信託(ETF)の純資産が、金ETFの純資産を初めて上回ったことが、ノルウェー拠点のデジタル資産リサーチ企業「K33 Research」のデータにより明らかになった。
K33 Researchのリサーチ責任者であるベトレ・ルンド氏が12月17日にX(旧Twitter)に投稿した内容によると、12月16日時点で、米国のビットコインETFの運用資産総額(AUM)は1,290億ドルを超えた。一方で、米国の金ETFの運用資産総額はそれにわずかに及ばなかったとされる。
このAUMの算出には、現物ビットコインETFだけでなく、ビットコインのパフォーマンスを金融派生商品(先物など)を通じて追跡するETFも含まれている。
ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、「すべてのビットコインETF(現物、先物、レバレッジ型)を含めると、AUMは1,300億ドルに達し、金ETFの1,280億ドルを上回る」と説明している。ただし、現物ETFのみに限定した場合、ビットコインETFのAUMは1,200億ドルで、金ETFの1,250億ドルをわずかに下回ると指摘した。
いずれにしても、バルチュナス氏は「たった11カ月でビットコインETFが金ETFと肩を並べる存在になったことは、驚異的なことだ」と述べている。
Source: Vetle Lund
ビットコインETFのドミナンス
米国における現物ビットコインETFは、米証券取引委員会(SEC)との長い審査プロセスを経て、2024年1月にようやくローンチされた。それ以来、ビットコインETFはETF市場を席巻している。
ブルームバーグ・インテリジェンスのデータによれば、米国の現物ビットコインETFは2024年11月に純資産額が初めて1,000億ドルを突破した。これにより、ビットコインのドミナンスがさらに強まったと考えられている。
モーニングスターの受動的戦略リサーチディレクターであるブライアン・アーマー氏は、2024年11月にコインテレグラフに対し、「ビットコインETFの純資産額の急増は、トランプ氏の大統領選勝利後の将来のビットコインに対するより前向きな見通しを反映している」と語った。彼は、これにより50億ドル以上の資金流入があったことを指摘している。
中でも、ブラックロックの「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」は、ビットコインETFの中で最大の存在感を示しており、同社のウェブサイトによると、IBITの運用資産総額は約600億ドルに達している。
2024年11月には、IBITの純資産額がブラックロックの「iShares Gold Trust(IAU)」を上回ったことが報じられ、これは市場に大きな話題を呼んだ。
Source: Nate Geraci
「価値毀損トレード(デベースメントトレード)」
ビットコインと金の需要が増している背景には、いわゆる「価値毀損トレード(debasement trade)」があるとされている。JPモルガンの10月の報告によれば、投資家たちは、地政学的な緊張が高まる中、「破滅的なシナリオ」に備えるため、金やビットコインに資産を移す動きを見せている。
JPモルガンによれば、「価値毀損トレード」とは、金に対する需要が急増する現象を指し、その要因として「2022年以降の構造的な地政学的不確実性の高まり、長期的なインフレの見通しに対する不安、主要経済国における高水準の政府財政赤字への懸念」などが挙げられている。
こうした状況の中、12月16日には、ビットコインの価格が新たな過去最高値を記録したため、ビットコインと金の購買力を比較する「ビットコイン対金の比率(Bitcoin-to-Gold Ratio)」も過去最高値を更新した。この指標は、1単位のビットコインがどれだけの金を購入できるかを示すもので、ビットコインの相対的な購買力の高まりを物語っている。
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