ビットコイン(BTC)の急落により、米国の現物ビットコイン上場投資信託(ETF)の平均的投資家の損益が、ETFローンチ以来初めてマイナスに転じた。
仮想通貨分析を手掛けるグラスノードのアナリスト、ショーン・ローズ氏は火曜日、米国の全ての現物ビットコインETFにおける平均取得コストが8万9600ドル付近に位置しているとブルームバーグに語った。
ビットコインは火曜日、この水準を割り込み、ETF投資家グループが含み損に陥った格好だ。一方、4万~7万ドルの価格帯で購入した初期投資家の一部は引き続き利益を確保している。
トレーディング会社クロノスリサーチの最高投資責任者(CIO)ヴィンセント・リュウ氏はコインテレグラフに対し、「ETFの平均取得コストが現物価格を上回っていても、ETF保有者の大半は長期アロケーターであり、含み損が出ても即座に売却に動くわけではない」と話す。
「現在のリスク回避環境では、流動性とマクロ要因が相場を左右する。流動性が引き締まれば損失が売り圧力へと転化し、明確な金融緩和シグナルが出れば下支えになる」とリュウ氏は続けた。
ビットコインETFとイーサリアムETFで資金流出続く
ファーサイド・インベスターズのデータによると、月曜日には米国の現物ビットコインETFから合計2億5460万ドルが流出した。ブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)では1億4560万ドル、フィデリティのワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンド(FBTC)は1200万ドルの流出となった。ARK 21シェアーズ・ビットコインETF(ARKB)は2970万ドル、ビットワイズ・ビットコインETF(BITB)は950万ドルの流出となった。
この動きは11月12日から続く5営業日連続の資金流出である。12日は2億7810万ドル、13日には記録的な8億6670万ドルの流出が発生し、過去2番目の大きさとなった。14日にも4億9210万ドルが流出している。
現物イーサリアムETFも同様に資金流出が加速しており、月曜日には合計1億8270万ドルが流出した。中でもブラックロックのiシェアーズ・イーサリアム・トラストETF(ETHA)は単日で1億9300万ドルの流出となった。
リュウ氏は、市場の転換にはいつくかの条件が必要だと指摘する。
「明確なディスインフレ、壊滅的でない労働市場の軟化、そして中央銀行が“高金利長期化”ではなく緩和へ傾く明確なコミュニケーション。この3つがそろえば、流動性期待が改善し、ボラティリティが低下し、資金フローも戻りやすくなる」
ソラナETFは流入継続
一方で、ソラナ(SOL)関連ETFは市場全体の下落をよそに、月曜日も資金流入を記録した。
ビットワイズ・ソラナ・ステーキングETF(BSOL)は730万ドルの新規流入を確保し、グレイスケール・ソラナ・トラストETF(GSOL)も90万ドルを追加で呼び込んだ。
これらのソラナETFは、10月下旬のローンチ以降、全営業日で資金流入が続いており、BSOL・VSOL・GSOLの累計純流入額は約3億9000万ドルに達している。
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