グラスノードのデータによれば、ビットコイン(BTC)の実現時価総額が8720億ドルの過去最高を記録したが、現在の価格帯では投資家の熱気は感じられない状況が続いている。

オンチェーン分析プラットフォームのグラスノードは最近のX投稿で、実現時価総額の新記録にもかかわらず、月次成長率は前月比0.9%に減速していると指摘した。これは市場がリスク回避モードにあることを示唆するという。

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Bitcoin realized cap net position. Source: X.com

実現時価総額とは、各ビットコインが最後に移動したときの価格を基準に全体の価値を算出するもので、実際に市場に投入された資本の総量を示す。成長率の鈍化は、資本流入が続いてはいるものの、新規投資家の参入や既存保有者の取引が減少していることを意味する。

加えて、グラスノードによると、ビットコインの「実現利益・損失チャート」は直近で40%の急落を記録しており、これは利益確定売りまたは損失確定の動きが加速していることを示している。

「これは投資家の活動が飽和状態にあることを示しており、市場が新たな均衡点を探る中で保ち合い局面に入る前兆となることが多い」と、グラスノードは指摘する。

短期投資家の実現価格(現在は9万1600ドル)を下回る価格での保ち合いが続くなか、既存投資家は慎重な姿勢を取っている可能性が高い。現在の価格水準では短期保有者が含み損を抱えており、損切りによる売り圧力が高まる可能性もある。

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ビットコイン短期保有者の実現価格とMVRV Source: CryptoQuant

また、ビットコインの短期保有者による「市場価値/実現価値(MVRV)」比率も1を下回っており、これは歴史的に買い場とされる水準であると同時に、短期保有者が含み損を抱えている証拠とされる。

米韓間で分かれるトレーダーのセンチメント

米国と韓国のビットコイントレーダーの間で、センチメントの乖離が見られる。

米国市場を反映する「コインベース・プレミアム」は最近急騰し、米国からの強い需要と価格上昇の可能性を示している。一方で、韓国市場を示す「キムチ・プレミアム」は調整局面で下落しており、韓国の個人投資家の関心の低下がうかがえる。

この需要のギャップは、ビットコインの直近の価格推移にも表れている。チャートによると、ビットコイン価格は4月11日以降、8万5440ドル〜8万2750ドルの狭いレンジで推移している。

4時間足チャートでは50日・100日・200日移動平均線がサポートとして機能しているが、日足チャートではこれらの移動平均線が上値抵抗として意識されており、強気構造に対する圧力となっている。

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Bitcoin 4-hour chart. Source: Cointelegraph/TradingView
 

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。

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