著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

5月第4週(18日〜24日)のビットコイン(BTC)対円相場は9.3万円安(- 9.03%)の94.2万円と、今年の高値圏で値幅調整。12日の半減期後初となるマイニングの難易度調整で、ディフィカルティーは- 6%と比較的大きく下げた一方、2009年2月より動くことなかった50BTCの一部送金が検知され反落。ハッシュレートも3月の相場暴落後の水準まで低下し、需給悪化の懸念から売り優勢の展開となり、相場は103万円から90万円台前半まで沈んだ。

12日の半減期でマイナーの収益は半減し、相場が50%安となったのと同じ状況にある。これは、18年末にかけての相場暴落と似た状況だ。当時、相場は11月14日に71万円から下落を始め、翌12月の15日に36万円の安値を記録し底入れとなった(≒50%安)。この際、ディフィカルティーは相場が下がり出したサイクルを含め3サイクルかけて30%ほど低下し、4サイクル目で反発していた。このことから、マイニング収益性半減後にどれだけディフィカルティーが下がればハッシュレートの反発が見込めるかの見当がつく。半減期直前のディフィカルティー(16.1テラ)の70%は11.27テラとなる。すでに今月20日の調整でディフィカルティーは6%低下し15.1テラとなっているが、cryptothis試算の次回ディフィカルティー調整予想値が-9%〜-17%なため、次の調整でディフィカルティーは13.74テラ〜12.53テラに着地することとなり、目標の11.27テラに近付く。18年当時からマイニング機材の性能が向上したことを考慮すれば、次のサイクルでハッシュレートの底打ちが見込めるか。また、6月からは中国で雨季が本格的に始まるため、電気代の低下がハッシュレートの支えとなるか注目だ。

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本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限らない。