著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。
28日のビットコイン(BTC)対円は555.1万円で寄り付くと、取引材料に乏しく550万円周辺まで軟化した。一方、欧州時間に入ると相場は前日安値周辺で下げ渋り、米時間序盤にはS&Pケースシラー住宅価格指数の下振れによる米債利回りの低下を受けて555万円を回復。その後、米連邦準備理事会(FRB)ウォラー理事が向こう数ヶ月で利下げを開始できる可能性について言及すると、米債利回りは一層低下し、BTCは560万円台中盤まで急伸した。しかし、これによりBTCはドル建てで節目の38,000ドル(≒557.8万円)を回復すると、今朝方には利益確定売りが入り上げ幅をほぼ解消。ビットコインETFの早期承認期待で下げは限定されたが、終値での38,000ドル上抜けには失敗した。
第1図:前日のBTC対円(左、1分足)と直近3カ月のBTC対円(右、日足)チャート 出所:bitbank.ccより作成