著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

23日〜29日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比688,009円(15.35%)高の5,170,009円と2週連続で10%超の上昇を記録した。

米証券取引委員会(SEC)による現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)の承認期待を背景に週明けから500万円台に乗せたBTC円だったが、その後はテクニカル的な過熱感や米株の軟化に上値を抑えられ、ドル建てで35,000ドル水準となる524万円周辺で上げ渋る展開が続いた。ただ、市場のETF承認への期待感はなかなか薄れる様子もなく、26日までは中東情勢の悪化を受けた金(ゴールド)価格の上昇や、アルトコインが物色されたことも相場の下支えとなり、安値を切り上げる底堅い推移となった。

一方、27日の米市場ではエネルギー、金融やヘルスケアセクターを筆頭に売りが先行し、米時間序盤のBTCは500万円割れを試したが、9月の米個人消費支出(PCE)価格指数の食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが継続的に鈍化したことで米国債が上昇(金利は低下)したことや、金価格の上昇を眺め相場は500万円で綺麗に切り返した。

通常であればボラティリティの落ち着きやすい週末だが、先週はアルトコインが再び物色されたことでBTCも追随し、小高く推移した。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成

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