著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

6日〜12日のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比164,094円(5.41%)安の2,871,224円と2週続落し、ドル建てでは節目の22,000ドル(≒289.7)を4週ぶりに割り込んだ。

クラーケンと米証券取引委員会(SEC)の和解に伴う同社のステーキングサービス停止発表により、先週木曜日の暗号資産(仮想通貨)市場には衝撃が走り、アルトコイン主導でBTCも上値を重くし、2週間ほど続いた300万円周辺での保ち合いから下放れを演じた。

翌日にはゲンスラーSEC委員長が、「ステーキングに対しては中立だ」としたことで、市場の混乱はやや後退した印象だったが、米消費者物価指数(CPI)の発表を控える中、2月のミシガン大消費者信頼感の速報値が前月から改善し、期待インフレも上昇。これを受けて、米国債利回りの上昇にナスダック総合が上値を圧迫されると、BTCも上値を重くし、一時は283万円まで押した。

一方、ドル建てで昨年11月高値(21,500ドル)周辺となる同水準で相場は下げ止まると、ボラティリティの落ち着きやすい週末はジリ高に転じた。昨晩には、相場が290万円まで戻す場面もあったが、ドージコイン(DOGE)を筆頭にアルトコイン相場の下げに連れてやや上値を重くし、足元では280万円台中盤まで押している。

第1図:BTC対円チャート 1時間足 出所:bitbank.ccより作成
 

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