著者 長谷川友哉(はせがわゆうや)ビットバンク マーケットアナリスト

英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

先週(20日〜26日)のビットコイン(BTC)対円相場の週足終値は、前週比58,646円(2.11%)高の2,843,621円と小幅に反発。相場は比較的狭いレンジで揉み合う展開を繰り広げ、節目20,000ドル(≒270万円)を僅かに割り込む場面もあったが、前週の急落から売りが一服した。

週明けのBTC相場は、渦中のCelsiusのCELトークンがショートスクイーズで急騰する中、市場が全体的に上昇し21,000ドル水準(≒283万円)を回復し290万円台に乗せたが、リッチモンド連銀のバーキン総裁が、7月も「50〜75bpの利上げ幅が妥当だ」と、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長のスタンスを支持したこともあり反落。週央に開催されたパウエル議長の議会証言では、「ソフトランディングが非常に困難」であり、米経済が景気後退(リセッション)に陥る可能性が否定されなかったことが嫌気されたが、BTC相場は節目20,000ドル水準周辺で買い支えられ下げ止まると、ディフェンシブセクターの株価に買いが入ったことや金利低下でハイテク株が強含むとBTCも連れ高となり、僅かながらショートカバーを伴い反発した。

週末に差し掛かると、Deribitのオプションカットが迫り市場では警戒感が広がったが、オプションカット通過後も相場は底堅く推移。FTXのBlockFi救済検討やGoldman SachsがCelsiusが破産した際に同社の資産を大幅なディスカウントで買い取るために投資家を募っているとの報道も相場の味方となったか、週末には22,000ドル(≒297万円)を試す展開となった。

第1図:BTC対円チャート 1分足 出所:bitbank.ccより作成

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