仮想通貨取引所を運営するビットバンク(Bitbank)は30日、臨時の株主総会を開き、新たな経営体制を発足させたと発表した。加藤順彦氏と峰松浩樹氏は取締役を辞任し、弁護士の金山伸宏氏が新たに社外取締役に就任。コーポレートガバナンスを強化する。また機動的に業務執行を図るため、執行役員制度も導入した。

ビットバンクは発表の中で「お客様の信頼回復に向けて、適正かつ確実な業務運営を確保するため、内部管理態勢及び経営管理態勢等を抜本的に見直し、新経営体制を発足させた」と説明している。

また今回取締役を退任した加藤氏は、自身のブログで新経営体制は「(金融庁の業務改善命令に対する)弊社の業務改善計画…とりわけコーポレートガバナンス強化策の一環」と述べている。

ビットバンクは6月22日に金融庁から業務改善命令を受けた。改善命令は、経営管理態勢の構築やホワイトラベル戦略における実効性ある態勢の構築など8項目にわたる。7月23日にビットバンクは業務改善計画を提出している

加藤氏は、金融庁による業務改善命令について次のように説明している。

私は、頂戴した業務改善命令の根底のロジックとしては

 

・今回、業務改善命令を受けるような状況を引き起こした本質は、取締役会のガバナンスの意識が低く、牽制機能がないからである

・現在の取締役会の構成は、創業来の社長廣末の近親者で占められている

・従って、まずは、この構成を大幅に変更し、金融機関的なガバナンス構造に近づけるべき

・当然、取締役会構成メンバーは金融プロトコルの理解できる人(金融従事者、経験者)で構成すべき

 

というものであると、理解しました。

加藤氏は取締役会は法令遵守と顧客資産の安全な管理を最優先に対応してきたと振り返る。だが昨年後半の相場急騰やコインチェック事件の発生といった事象が重なったことで、あるべきガバナンスの状態に持っていくには時間が不足していたも述べている。

「先ずは意思決定機関である取締役会を業務改善命令の企図に近づけるべく、創業来の取締役である小生〔加藤氏〕、および同じ立場である峰松が退任することで取締役会の構成の刷新を図るべしという判断に至りました」。

 

新体制では廣末紀之代表取締役のもと、金山氏と都木聡セレス社長の2人が社外取締役を務める。金山氏は弁護士の立場から、ビットバンクのコーポレートガバナンスを担うことになるとみられる。