仮想通貨専用プラットフォームとなって2ヶ月のバイナンスUSは、仮想通貨決済企業ムーンペイとの新たな提携を発表した。この提携により、ユーザーは米ドル(USD)と連動するステーブルコインであるテザー(USDT)を購入し、バイナンスUSのプラットフォームで使用できるようになる。
8月22日の声明で、バイナンスUSはすべての取引の新たな「基軸資産」としてUSDTを採用し、ムーンペイとの提携によりユーザーが米ドルで取引できる道筋を作ると発表した。
この新たな提携は、バイナンスUSが銀行パートナーとの関係を断絶し、6月9日から取引所での法定通貨の預金が停止されたことを受けてのものだ。その時、バイナンスUSは証券取引委員会(SEC)からの「攻撃的で脅迫的な」手法が混乱の原因だと述べた。SECは4日前にバイナンスUSやバイナンスを訴えていた。
声明によれば、バイナンスUSの顧客は、自分のアカウントに資金を供給するために、米ドルをUSDTに交換し、そのUSDTをプラットフォーム上の他の仮想通貨を購入するために使用することができる。バイナンスUSでは直接の銀行預金が引き続き無効となっているが、この提携により、デビットカードやクレジットカード、アップルペイ、グーグルペイを通じた購入をサポートする新たなオンランプルートがユーザーに提供される。
6月23日には、バイナンスUSは米ドル建ての出金に関連する一連の問題を経験したが、一時的に機能を回復した。その時、近い将来にサービスが停止される可能性があると警告していた。
バイナンスUSとその関連企業がSECから訴訟を起こされる以前は、米ドルの直接の入出金を通じて、人気のある仮想通貨の購入と販売をサポートしていた。今年3月、広範な銀行危機の中で、シリコンバレー銀行、シルバーゲート銀行、シグネチャー銀行など、仮想通貨に友好的な銀行が数週間の間に一斉に倒産し、多くの仮想通貨取引所とサービスプロバイダーが銀行パートナーを失った。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン