9月14日の裁判所提出書類によれば、米証券取引委員会(SEC)は、仮想通貨取引所バイナンスUSに対する調査において、同社が非協力的だったと主張している。
SECは裁判所提出書類において、バイナンスUSの親会社であるBAMが、証拠開示手続き中にわずか220件の文書しか提出しなかったと指摘した。提出された文書の多くは、「判読不可能なスクリーンショットや日付や署名のない文書」で構成されていたとSECは言う。
さらにSECは、BAMが重要な証人を出席させることを拒否し、代わりに一方的に選んだ4人の証人の聴取のみに同意したと指摘する。
「関連する通信に対する要求には全面的に異議を唱え、通常の業務運営において保管されている文書の提出を拒否し、それらの文書は存在しないと主張している。しかしその後、SECは他の情報源からそのような文書を入手している」
SECはまた、バイナンスUSがバイナンス・ホールディングスが提供するウォレット保管ソフトウェア「Ceffu」を使用することについて懸念を示した。
SECは、BAMがCeffuとバイナンスのウォレットおよび顧客資金管理に関与について矛盾した発言をしたと指摘した。SECによれば、BAMは最初にCeffuがBAMのウォレット保管ソフトウェアおよびサービスプロバイダーであると主張したが、後にバイナンスがBAMのウォレット保管ソフトウェアプロバイダーであると述べた。
SECは、バイナンスUSのCeffuの使用が、資金が海外に流出するのを防ぐという合意に違反していると懸念を表明した。
SECは6月5日にバイナンスに対して訴訟を提起し、未登録の証券提供など13件の告発を行った。SECは、バイナンス、バイナンスUS、およびBAMトレーディングはそれぞれ、清算機関、ブローカーディーラー、および取引所として登録すべきであったと主張した。
バイナンスUSを巡っては、バイナンスUSのCEOブライアン・ショーダー氏が今週に退任を発表した。その後、バイナンスUSの最高法務責任者と最高リスク責任者も退任したとの報道も出た。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン