フィナンシャルタイムズの報道によると、バイナンスは仮想通貨分野以外の企業を買収することで、ビジネス上の収益源を多様化することを目指している。

「私たちはすべての経済セクターで1つもしくは2つの分野に投資を行い、それらを仮想通貨に取り入れようとしている」と、バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は語っている。

既に世界最大の仮想通貨取引所の1つとなっているバイナンスは、仮想通貨のさらなる採用を促すため、伝統的な市場から企業を呼び込むことを目指している。

インタビューの中でCZは、伝統的な企業に仮想通貨を採用するよう促すことは動きの遅い企業に圧力をかけ、全体的な市場競争を激化させることになるだろうと述べている。

実際、バイナンスは今年2月に大手メディアのフォーブスに2億ドルの投資を行っている。「フォーブスが次のレベルのプラットフォームへと進化する中で、フォーブスのデジタルイニシアチブを強化することを楽しみにしている」とCZは投資の際に述べている。

これらの動きは仮想通貨業界が急成長して、現実世界で力を示すようになっていることの一端だ。バイナンスは評価額で3000億ドルにまで成長し、CZは世界で11番目に裕福な人物にまでなっている。

バイナンスは2020年4月には仮想通貨データウェブサイトのコインマーケットキャップを買収したほか、2021年12月には決済サービスSwipeの過半数の株式を購入するなど、コアな仮想通貨事業以外へも投資を進めていた。

CZによると、バイナンスの収益の90%は取引所での手数料から得られており、収益の多様化というのはビジネス面では重要な動きとみられる。