仮想通貨取引所バイナンスがブロックチェーンセキュリティー企業CertiK(サーティーケー)と提携した。サーティーケーが17日の発表前にコインテレグラフ日本版に共有したリリース内容から明らかになった。

サーティーケーは、イェール大学とコロンビア大学の教授によって設立されたスマートコントラクト監査企業。Formal Verification(フォーマル・ベリフィケーション)という技術を使い、ブロックチェーン上で最も頻繁に起こる重大な欠陥の一部が存在しないことを数学的に証明する。昨年は、150以上のプロジェクトを監査し、15億ドル以上の仮想通貨のセキュリティーを守ってきたという。

昨年10月、バイナンスの投資ファンド「バイナンス・ラボ」はサーティーケーへの出資を発表。今回の提携によって、バイナンスで取引されるトークンのセキュリティをさらに高める狙いだ。バイナンス・ラボのトップであるエラ・ジャン氏は、今回の提携について次のようにコメントを出した。

「ブロックチェーン技術のさらなる普及に向けて、エコシステム全体に自信を与えるために、セキュリティーは最も重要だ。だから我々はサーティーケーと提携することを選んだ。トークンのプロジェクトがサーティック承認の監査レポートを提示すれば、それは彼らがバイナンスと同じくらいセキュリティーについて真剣に考えていることを示す証明になるだろう

ジャン氏は昨年8月、コインテレグラフ日本版とのインタビューの中で、ブロックチェーンの「熱狂的な信者」である我々は、仮想通貨の普及など長期的な価値創造に貢献できるプロジェクトに投資していくと述べていた。

昨年はコインチェックとZaifで巨額ハッキング事件が相次いで発生し、今年もニュージランドの取引所クリプトピアで「ハッキング」が起きたと伝えられている。2018年だけで世界中の仮想通貨取引所から盗まれた仮想通貨は10億ドル近くに上るという試算もあるという。

スマートコントラクトとは、契約を自動的(スマート)に履行する技術。ブロックチェーン技術の透明性と改ざんできないといった特徴を応用し、あらかじめ定義づけられた契約条件を満たした場合のみ、その契約が自動的に履行されるといったプログラムを遂行する技術。これにより従来のように第三者機関をとおしたり、煩雑な手続きを行うなどの契約にかかるコストを大幅に削減できることが期待されている。仮想通貨ではイーサリアムがこの技術を実装していることで有名。

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