仮想通貨取引所大手バイナンスは15日、仮想通貨ビットコインSVを上場廃止すると発表した。ビットコインSVを率いるクレイグ・ライト氏への嫌悪感から、先週末、バイナンスのジャオ・チャンポン(通称CZ)CEOはビットコインSVの上場廃止を示唆していたが、今回、正式発表した。

仮想通貨取引所バイナンスがビットコインキャッシュSVの取り扱い廃止を発表

バイナンスがビットコインSVを上場廃止にする日は、日本時間4月22日(月)の19時。全てのトレーディングペアにおける取引を取りやめる。出金は、日本時間7月22日(月)の19時まで続ける予定。

バイナンスは上場廃止の理由を定期的な審査によるものと説明。主な審査項目は、「プロジェクトに対するチームのコミットメント」、「開発レベルと進捗」、「ネットワーク/スマートコントラクトの安定性」、「パブリックコミュニケーションのレベル」、「我々の定期的な顧客確認への対応」、「倫理に反する行為や詐欺的な行為の証拠」、「健全で持続可能な仮想通貨エコシステムへの貢献」だ。

バイナンスのCZは12日、「クレイグ・ライトはサトシじゃない。もう我慢の限界だ。上場廃止だ!」とツイート。ビットコインの創設者サトシ・ナカモトを自称するライト氏が、ビットコインコミュニティーのメンバーを名誉毀損で訴える構えを示したことがきっかけだ。

ビットコインSVは、去年11月にビットコインキャッシュのハードフォークで誕生した仮想通貨。ハードフォークの際にクレイグ氏は、ビットメインの創業者ジハン・ウー氏やBitcoin.comのロジャー・バーCEOが率いたビットコインABCと激しく対立しており、しばしばトラブルメーカーと見られている。

一方、CZのツイートがきっかけとなり、ツイッター上では「ビットコインSVを上場廃止にしよう」運動が広まっている。仮想通貨投資会社モルガン・クリーク・デジタルの創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ氏は、「5月1日に全ての取引所が同時にBSVを上場廃止にすべき」と主張している。

バイナンスの上場廃止決定を受けてビットコインSVとハードフォークで対立したビットコインキャッシュ(ビットコインABC)は急騰している。執筆時点(4月16日0時30分)までの24時間で15%以上も上昇した。

ビットコインキャッシュ(BCH)のチャート

(出典:CoinMarketCap「ビットコインキャッシュ/米ドル(1日)」)