仮想通貨取引所大手のバイナンス傘下の慈善団体バイナンス・チャリティー財団(BCF)が、BCFのブロックチェーン寄付プラットフォームを通じた、新たな活動をスタートした。新しいプログラムは、マルタで終末期の患者と恵まれない子供たちの支援するものだ。バイナンスが19日に発表した。
「2018 L-Istrina Campaign」と呼ばれる新しい取り組みは、マルタの慈善団体である「The Malta Community Chest Fund (MCCFF)」を援助するものだ。MCCFFでは、病気や貧困、虐待に苦しむマルタの個人や家族を支援しており、医療援助や助言サービス、ソーシャルケアなどを提供する。
MCCFFは2017年に1万5000人への支援を行ってきた。新しい取り組みでは、同規模の支援を実施する予定だという。支援の内容はブロックチェーン上で記録され、自身の寄付を完全に追跡することが可能となる。
さらにMCCFFは、これまでの支援対象者の数、提供された援助の形態、支援の支出の内訳などを毎月公表していくとしている。
プレスリリースによると、バイナンスとトロンは、それぞれ仮想通貨で10万ドル相当を寄付することを表明している。寄付の総額は、改めて発表されるという。
バイナンスのジャオ・チャンポンCEO(通称CZ)は、「ブロックチェーン技術を利用することで、慈善団体の透明性の問題を解決し、慈善事業への信頼と参加を得ることができる」とコメントしている。
またマルタのマリルイーズ・コレイロ・プレカ大統領は、ブロックチェーンを活用した寄付プラットフォームを期待を寄せ、「企業の社会的責任を果たしつつ、ブロックチェーンの革新的技術が社会的利益のための方法を効果的に示すものだ」と述べている。
バイナンスは今年10月、BCFを立ち上げ、アフリカのウガンダでの洪水被害への支援を行った。BCFのプラットフォームでは、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、バイナンスの独自トークンであるバイナンスコイン(BNB)で寄付することができる。トロン財団はBCFの立ち上げ時に、300万ドルの寄付を提供することを約束している。
仮想通貨関連企業が慈善活動を進める事例はほかにもある。
リップルは今年9月、教育に重点を置いたプロジェクトに投資するため、同社から2500万ドルを拠出し、独自の社会貢献プラグラム「Ripple for Good」を立ち上げている。また米仮想通貨取引所コインベースのアームストロングCEOも、「ギブ・クリプト」と呼ぶ慈善事業を6月にスタートさせた。