ブルームバーグの報道によると、世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは英国市場への再参入に必要なパートナー探しが難航しているようだ。

英国の金融行動監視機構(FCA)の規則により、バイナンスが英国市場で事業を展開するためには、FCAから認可を受けたパートナーが必要だ。しかし、情報筋によるとバイナンスは過去数ヶ月間に少なくとも3つの承認者から断られており、英国市場への再参入は不透明な状況となっている。

バイナンスは昨年10月、当時の認可パートナーだったRebuildingsociety.com(REBS)がFCAから「権限がない」と判断された。FCAは、REBSがバイナンスの製品やサービスを宣伝することを禁止したため、バイナンスは新規ユーザーの受け入れを停止し、新たな承認者を探すことを余儀なくされた。

さらに、FCAはバイナンスとの提携を検討している企業への懸念も表明しており、これが企業を遠ざけている要因の一つと考えられる。

バイナンスはブルームバーグの報道の中で、新たなパートナー探しに苦慮していることを否定している。「英国のセクション21承認者から拒否されたという情報は正確ではない。現在も複数の承認候補者と建設的な協議を続けており、近日中にポジティブなニュースをお伝えできることを確信している」とコメントした。

バイナンスは、2023年5月に子会社であるバイナンス・マーケッツ・リミテッド(BML)を通じてFCAへの登録を正式に撤回した。BMLは、「英国で実施したことも提供したこともない」活動に対して、様々なFCA許可を保持していたと明らかにし、登録を取り消したという。その結果、現在、英国でバイナンスのサービスを提供できる認可を受けた法人は存在しない。

英国での事業展開が苦戦していることは、バイナンスが他国で直面する問題とも関連しているかもしれない。2023年6月、米国証券取引委員会(SEC)は、バイナンスと前CEOのジャオ・チャンポン氏(通称CZ)に対し、未登録証券の提供やウォッシュトレードなど複数の違法行為を行ったとして訴訟を起こした。

またCZ氏は、米国のマネーロンダリング防止規則に違反したことを認め、昨年11月に43億ドルの和解金支払いに合意した一環として、バイナンスCEOを辞任。判決は2月下旬に予定されている。