仮想通貨取引所バイナンスの地域市場責任者リチャード・テン氏は、同社が財政的に安定しており、規制当局の厳しい監視や地域的な課題にもかかわらず、破綻した競合他社であるFTXとは全く異なると強調した。

2023年のトークン2049カンファレンスに先立ち、シンガポールでコインテレグラフのインタビューに応じたテン氏は、バイナンスの地域別部門が直面しているさまざまな課題について触れ、創設者ジャオ・チャンポン氏から後継者として指名されたとの報道を否定した。

テン氏は、バイナンスが過去数年間、様々なk大に直面しているが、財務面の強さを維持し、顧客への出金処理が可能な状態を維持しながら、ケースバイケースで問題に対応してきたと述べる。

「FTXの後にはさまざまな噂やFUDがあった。人々は私たちをFTXと関連付けようとしたが、それは全くの間違いだ。私たちは1対1で資産を保有している」とテン氏は語った。

また、テン氏は、同社の幹部が相次ぎ退職したことや、同社がロシアの銀行との関係を巡る報道についても語った。テン氏は、同社が6年間で驚異的な成長を遂げたことが、引き続き注目を浴びている理由だと語った。「このように厳しい目で見られるのは、我々が最大手であるからこそだ。規制当局からの監視、メディアからの監視、そして我々はその監視を歓迎する」とテン氏は語った。

バイナンスはまだロシア市場にサービスを提供するフランチャイズに関して決定をしていないが、同社は引き続き制裁を受けている団体や個人に対する国際的な規範と基準を遵守しているとテン氏は語った。

「ロシアに対する我々の計画については、すべての選択肢がテーブルの上にあると、過去数週間で非常に明確に述べてきた。我々はそのフランチャイズが今後どうなるべきかを探求し続けている」とテン氏は語った。

一方で、さまざまな管轄区域で成熟してきた規制枠組みは、世界的な取引所からも歓迎されている。テン氏は、欧州連合(EU)の暗号資産市場(MiCA)規制が、業界に対する標準化されたルールを作り出すことで、取引所全体に利益をもたらす可能性があると語った。

「この不均一な取り扱いは、我々のようなグローバルプラットフォームに非常な困難をもたらした。ローカル展開に際しては、ルールや規制が非常に異なるという事実を理解する必要がある。だから我々は統一された基準を望んでいる」とテン氏は語った。

テン氏はMiCAが「正しい方向に向かっている一歩」であり、23のEU加盟国に一貫した基準を提供することが、業界のための世界的な規制指針の広範な一致につながる可能性があると語った。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン