仮想通貨取引所バイナンスは、世界的な規制当局からの圧力を受けて、主要市場から撤退を続けている。

バイナンスの英国子会社であるバイナンス・マーケッツ・リミテッド(BML)は、金融行動監視機構(FCA)への登録を取り消したと発表した。バイナンスの広報担当者はコインテレグラフに対して、BMLは、「英国で実施したことも提供したこともない」活動に対して、様々なFCA許可を保持していたと明らかし、次のように話した。

「これらの許可が今後必要になる可能性が低いため、バイナンス・マーケッツ・リミテッドはそれらを取り消すことが適切だと判断し、FCAの推奨に従った」

FCAによると、2023年5月30日にBMLの許可の取り消しを完了したという。「許可の取り消しが完了したことにより、同社はFCAからの認可を受けていない」と、同当局は6月7日の更新情報で明らかにした。

同社の広報担当者は、BMLの登録取り消しはバイナンスの業務に影響を及ぼさなかったと再確認し、次のように述べた

「この決定はバイナンス・ドットコムに影響を及ぼさない。英国内で仮想通貨サービスを所有または運営しておらず、英国の消費者に対してのみリバース・ソリシテーション(投資家主導の販売活動)で利用可能だ」

また、英国と欧州での成長を担当するバイナンスのサブリージョナルマネージャー、イリア・ラロ氏も日曜日にツイッターに投稿し、「バイナンスは依然としてフランス、イタリア、スペイン、ポーランド、スウェーデンを含む欧州で5つの規制されたエンティティを保持している」と指摘した。「MiCAが2024/5年に発効するにつれ、私たちは準備に注力するため、一部の合併を行うことで欧州全体でパスポートを取得するための作業に移行している」と彼は語った。

ラロ氏はまた、キプロス、オランダ、ナイジェリアなどの国々でバイナンスが規制撤退を行っている背景についても言及した。

Ilir Laro's post on Binance's latest regulatory events. Source: Twitter 

バイナンスは以前から、英国でいくつかの規制上の問題を抱えていた。2021年には、FCAはバイナンスに対して英国での全ての規制活動を停止するよう命じた。