ソーシャルペイメントアプリの「バンドル(Bundle)」は、大手仮想通貨取引所バイナンスによるインキュベーションの後、ナイジェリアでサービスを開始した。

4月23日の発表によると、バンドルは、ユーザーがアプリを通じて現金もしくは仮想通貨による預金や送受金ができる。今年の年末までにアフリカの30ヵ国以上に展開し、仮想通貨のための法定通貨のオンランプとオフランプを提供する予定だ。

バンドルは、バイナンスコイン(BNB)、ビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、および現地の法定通貨であるナイジェリア・ナイラをサポートしているが、今後数週間で法定通貨のサポートを追加する予定という。取引はカードや銀行振込を介して処理でき、バンドルアプリのウォレットに保存される。

このサービスは無料で開始されるが、本人確認(KYC)が必要で、法定通貨の引き出し・預金額に制限がある。モバイルアプリはアンドロイド版が公開されており、iOS版は数週間以内に公開されるという。

バンドルは、2019年9月にプレシードの資金調達を実施。バイナンスから45万ドル(約4800万円)を調達した。

バンドルの共同創業者兼CEOのイエール・バデモシ氏は、バイナンスが仮想通貨業界のディベロッパーに役立つ多数のアプリケーションプログラミングインターフェイスを作成したとコインテレグラフに語り、そのいくつかを使用する可能性があると述べている。

アフリカは仮想通貨の新大陸になるか

発表によると、アフリカの銀行の約40%がオンライン取引システムを使い、高度な金融ツールを使うことを好んでいる。これは、アフリカでの年齢の中央値が19歳というのが関係しているようだ。若い、テクノロジーに精通した人口が、バンドルの金融サービスのターゲットだ。

「私たちはデジタルネイティブのアフリカのユーザーを念頭に置いてバンドルを作成した。それらはソーシャルであり、オンラインであり、地理的な境界を超えて接続されている。彼らは、実店舗の銀行の支店に行くのではなく、モバイルアプリを介してデジタルで提供される金融サービスを好む。私たちはバンドルを現金と仮想通貨をサポートするモバイルウォレットとして構築し、仮想通貨を使うことが、Venmoのようなモバイルアプリで行われるデジタル金融トランザクションのようにするつもりだ」

バンドルの最高技術責任者(CTO)のタイワ・オリロボン氏は、アフリカは仮想通貨ベースの金融イノベーションの豊かな基盤になると主張し、次のように述べている。

「現在、アフリカの12億のうち、140万人しか仮想通貨使っていない。ブロックチェーンのエコシステムにアクセスしやすくすることで、アフリカ大陸での経済的機会が解放される。これは価値のあるミッションだ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン