ステーブルコイン「SAGA(SGA)」プロジェクトを進めている英ロンドン拠点の仮想通貨企業SAGA(サガ)創業者のイド・サデ・マン氏はバスケット型で裏付けされたデジタル通貨がハイパーインフレが起こった時の世界経済の答えになるとの考えを示した。コインテレグラフのインタビューで語った。

紙幣印刷は持続可能ではない

サデ・マン氏は中央銀行が大量の紙幣を印刷することで、将来的にハイパーインフレにつながることを問題視している。

「長期的には非常に望ましくない結果をもたらすソリューションだ」

こうした事態に対し、サデ・マン氏は通貨バスケットは通貨の変動に強いことが大きな利点であるという。

SGAはフェイスブックが主導する仮想通貨リブラが当初予定していたような複数の法定通貨のバスケットを準備金としている。その構成は、国際通貨基金(IMF)の特別引出権(SDR)をもとにしており、ドルやユーロ、人民元、英ポンド、日本円となっている。

SDRは単一通貨による価格変動に強くリスクが軽減できるという。

「SDRの一部の通貨が紙幣を印刷している場合、一部の通貨は印刷していない。そのため一方が上がれば、もう一方が下がることになる」

SAGAはビットコインと同じ問題意識

ビットコインは2008年の経済危機の中で生まれ、中央銀行による恣意的な金融政策に対抗するために誕生した。以来、多くのデジタル通貨やテクノロジーが生まれている。

サデ・マン氏はSAGAもこうしたビットコインと同様の問題意識を持って生まれたプロジェクトだという。

SAGAの目標は単一の国の財政や金融政策に依存しない通貨を作ることだ。プロジェクトが成功すれば、価値を蓄え、国際的に価値を交換できるという意味で、私たちの生活を豊かにできるという。サデ・マン氏によると、SAGAのアプローチはビットコインとその他のステーブルコインの中間に位置するものと説明した。

「我々はビットコインのようなマネーサプライをコントロールできないというアプローチを採用している。これはSAGAがいつでもお金を印刷できるわけではないということを示している。」

CBDCは答えではない

さらに中央銀行デジタル通貨(CBDC)については「トークン化」された通貨だとし、法定通貨のデジタル化したものは真の解決作ではないと指摘。それはプライバシーやカストディアン、金融の安定性の面で問題が起きるからだという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン