英国の大手銀行バークレイズがデジタル通貨の送金とブロックチェーンを活用したデータ保存に関する2件の特許を出願した。米国特許商標庁(USPTO)が19日に公表した。

 1つ目の特許は、デジタル通貨の送金システムに関するもので、支払人と受取人の身元を安全に認証し、公開鍵暗号とデジタル通貨台帳を用いて取引記録を検証するものだ。ブロックチェーンを用いたトラストレスで安全かつ非公開のデータ処理に関する幅広い用途についても言及し、クレジットステータスと保険金請求の例を用いてブロックチェーン上における請求と認証の確認方法について説明している。バークレイズは、このシステムの受益者として、個人、中央機関、企業、銀行のほか、デジタルウォレットを割り当てることができるIoT(モノのインターネット)などを想定。さらに効率を最大化しデータ検証を容易にするためにマークルツリー構造を用いてブロックを保存する有益な方法についても概説している。

 2つ目の特許は、特定の事業者に関するデータと請求の保存と承認に焦点を当てたもので、重要な事例として、顧客の本人確認(KYC)のための個人情報確認が挙げられている。

 バークレイズは今年の春、仮想通貨のトレーディングデスクの開設に向け、顧客の関心を見極めていると報じられた。バークレイズのジェス・ステーリーCEOはすぐにこの報道を否定したが、CMEグループやCBOEグローバルマーケッツなどのデリバティブ取引所が扱うビットコイン(BTC)の先物取引に関して、引き続き顧客をサポートしていくと明言した。

 

 また今年3月には、英国で初めて仮想通貨取引所向けの口座を開設し、米国の大手取引所でウォレットサービスを提供するコインベースと取引を開始した