フランスの中央銀行であるフランス銀行の総裁は、民間セクターによるグローバルステーブルコインの対応に対して、欧州の政府は対応しなければならないと語った。

フランス銀行のフランソワ・ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁は、ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク)が開催したオンラインカンファレンスで講演した

「私たち、ヨーロッパは、今後数十年にわたって私たちの金融主権に影響を与える、決済に関する緊急かつ戦略的な選択に直面している」

ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁の見解で最も差し迫ったリスクは、「ビッグテック」がグローバル市場への浸透を利用して、「プライベートな金融インフラと『金融』システムを構築し、自らをユニバーサルな『通貨』の発行体・管理者として位置付け、政府の金融主権に競合することだ」。

ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁は、将来の中央銀行デジタル通貨(CBDC)が、こういったビッグテックによって発行される「通貨」のバックエンドで発行される可能性があると警告した。

さらに、個々の政府が、プライベートな通貨に対抗するため、国内およびグローバルの両方で独自のCBDCを発行する可能性にも言及。このような発行がグローバルな金融コミュニティでの調整なしで行われれば、民間プロジェクトとCBDCとの間の線引きが、ほかの中央銀行の意見を無視して形成される恐れがあるとも語った。

ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁は、欧州中央銀行(ECB)とユーロシステム全体が「CBDCに遅れをとることは許されない」と強調した。

欧州のCBDCは、リテール(一般向け)とホールセール(金融機関向け)の両方で構成される可能性があると、ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁は述べた。またユーロ版CBDCの検討と、欧州ペイメントイニシアティブのサポートとの間には矛盾がないことを強調した。

ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁によれば、ペイメント、特にクロスボーダーペイメントにおいて存在する非効率性は、官民のイニシアチブを通じて「その根本から」取り組む必要がある。これが無視されれば、民間主導のグローバルステーブルコインがこれらの欠点に対処し、デジタル化された経済の未来の進化を設定することになると述べた。

ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁はまた、ペイメント状況における既存の非対称性に触れた。

「私たちの欧州のエコシステムは、ビジネスの継続性、技術的および商業的意思決定、さらにはデータの保護、使用、およびストレージをほとんどコントロールできず、欧州以外のプレイヤー(国際カードスキームやビックテックなど)に大きく依存している」

非対称性はこれだけに留まらず、「欧州は一部の重要な国のようにグローバルなソーシャルネットワークを開発していない」と述べ、決済セクターにおけるデジタルイノベーションのための首尾一貫した戦略がより急務となっているという。

民間セクターが主導するステーブルコインについては、ビルロイ・デ・ギャルハウ総裁は「グローバルなレベルで採用されるためには、より大きな規制枠組みに適合しなければならない」と述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン