英国の中央銀行であるイングランド銀行は19日、中央銀行デジタル通貨(CBDC)とCBDCのインフラ設計について議論する重要な会議に参加する。

世界の金融政策のシンクタンクである公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)が8月19日に主催するラウンドテーブルにはイングランド銀行のシニア・フィンテック専門家であるサイモン・スコアラー氏のほか、スイス国立銀行やオランダの金融大手ING、ハンガリー国立銀行の代表者が参加する。また、エンタープライズ・ブロックチェーンプラットフォームを提供するサイファリウムのスカイ・グオ氏もディスカッションに加わる。

会議の主な目的はブロックチェーン技術がCBDCの様々なモデルに利益をもたらす方法を議論することだ。プログラマブル・マネーといったスマートコントラクトの活用や、国境を跨いでも相互運用が可能なブロックチェーンモデルなどについて検討する。

グオ氏はCBDCが構想の初期段階にあることを踏まえ、「今は基礎的なアイデアの長所と短所について議論する時期だ。特に様々な手段がどのように相互作用し、動作するかの関連を検討する」

サイモン・スコアラー氏やハンガリー国立銀行のチーフ・デジタルオフィサーであるアンコ・ソンバティ氏、INGのブロックチェーンチームでITスペシャリストを務めるキース・ヴァン・ウィック氏、スイス国立銀行のボードメンバーであるトーマス・モーサー氏はCBDCの内部調査から得られた調査結果を発表する。

OMFIFが指摘するように、フェイスブックといった民間企業からの圧力により、世界の中央銀行の約80%がCBDCの発行を真剣に検討を初めている。CBDCのためにブロックチェーンを含む様々な可能性を評価している段階だ。

2020年3月にはイングランド銀行はCBDCに関するディスカッションペーパーを発表。急速に変化する決済の状況や、金融の安定性を管理する銀行をサポートするために、CBDCの潜在的な役割について分析した。ディスカッションペーパーにはCBDCの可能性についてイングランド銀行の「プラットフォーム」モデルに対するコメントの募集も含まれた。

2020年にイングランド銀行総裁に就任する直前にアンドリュー・ベイリー氏はビットコインのような非中央集権型の仮想通貨に疑義を表明。投資家が仮想通貨に投資した場合に「全財産を失うことを覚悟しなければならない」と警告した。

ベイリー氏はその後、7月にデジタル通貨を発行するかどうかを真剣に検討していると述べ、CBDCに対して前向きな姿勢を示している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン