中国では中央銀行の元幹部が厳しい仮想通貨規制を見直すよう呼びかけ、仮想通貨解禁の意見が出始めている。

中国人民銀行(PBoC)の金融政策委員会の元委員ある黄益平氏は、中国政府は仮想通貨取引の禁止が長期的に持続可能かどうかを改めて考えるべきであると主張している。

サウスチャイナモーニングポストによると、黄氏は12月の講演で、中国におけるフィンテックの将来について懸念を表明している。

黄氏は、仮想通貨の永久禁止は、ブロックチェーンやトークン化に関するものを含め、金融システムにとって多くの機会を逃す結果になりかねないと指摘した。仮想通貨関連技術は金融システムにとって「非常に価値がある」と述べている。

同氏は、「仮想通貨の禁止は短期的には現実的かもしれないが、長期的に持続可能かどうかは、綿密な分析に値する」とも述べている。また、仮想通貨に対する適切な規制の枠組みを構築することの重要性を強調したが、それが簡単な作業ではないことには同意している。

中国にとって仮想通貨がもたらす潜在的な長期的利益について再考する必要を指摘した一方、黄氏は依然としてビットコイン(BTC)のような仮想通貨には多くのリスクがあることも強調した。

黄氏は、ビットコインは本質的な価値がないため、通貨というよりもデジタル資産に近いと主張した。また、ビットコインの取引のかなりの割合が違法取引に関連しているとも主張している。

現在北京大学の教授である黄氏は、中国の中央銀行デジタル通貨が何年も前に開始されたにもかかわらず、広く普及するには至っていないことも認めている。さらに、デジタル人民元をベースにしたステーブルコインの発行を民間機関に認めることは、依然として「非常に微妙な」問題だが、その是非は検討する価値があると付け加えた。

中国は以前から「ビットコインではなくブロックチェーン」というスタンスで知られている。中国の習近平国家主席は2019年にイノベーションの手段としてブロックチェーンの採用を加速させるよう呼びかけている。同時に、中国政府は仮想通貨を厳しい態度を取っており、最終的には2021年に事実上すべての仮想通貨取引を禁止している

このような禁止にもかかわらず、中国は2022年1月の時点で世界第2位のビットコインマイナーであり続け、国内にまだ大きな仮想通貨コミュニティが存在することを示唆している。公式データによると、中国本土の顧客は、仮想通貨取引禁止にもかかわらず、破綻した仮想通貨取引所FTXの8%を占めた