仮想通貨ビットコイン100万ドル相当の賭けが、ターゲット価格の97%下回る状況で決着がついた。元コインベースCTOのバラジ・スリニヴァサン氏が「ビットコインが100万ドルに到達する」という賭けに名乗りを上げたが、100万ドルには達しないとして総額150万ドルを3つの異なる団体に寄付する形で和解した。
5月2日、スリニヴァサン氏は、賭けが「相互同意により」期日の45日前に終了したと述べた。スリニヴァサン氏は、偽名を使ったツイッターユーザーのジェームズ・メドロック氏に50万ドルを支払い、ビットコインコア開発者に50万ドルを寄付し、非営利団体「Give Directly」にさらに50万ドルを寄付した。
I just burned a million to tell you they're printing trillions. pic.twitter.com/pX5622rjUO
— Balaji (@balajis) May 2, 2023
スリニヴァサン氏はツイッターで、「期日よりも前に賭けを決着させ、さらに約束した額以上を寄付した」と述べた。
ただ、スリニヴァサン氏は「私は公然と100万ドルを無駄にするつもりはない」と主張。彼が1BTC=100万ドルという目標価格から約97万ドルも下回る価格で賭けを決着させた理由は、「公共の利益に役立てるため」だという。同氏によると現在は政府機関が市民に危機的状況を伝えることができていないため、「公共部門に頼っていると、何か問題があるときにそれを知ることができない」と考えていることを知らせるために大金を支払ったと説明した。
「経済に問題があることを示す証拠として高額なシグナルを送るために自分のお金を使った。パウエルが約束するような“ソフトランディング”ではなく、はるかに悪い状況になるだろう」
スリニヴァサン氏は、合計150万ドルを寄付したにもかかわらず、米国経済が最終的にハイパーインフレ状態に達することを確信しているようだ。彼の見解では、投資家は急速に価値が失われるドルをビットコインに換えて価値を確保しようとすることで、ビットコインが急速に価値を高めて100万ドルに達するという。
この高額な賭けは、スリニヴァサン氏と偽名ユーザーのジェームズ・メドロック氏の間の意見の不一致を受けて3月17日に開始された。メドロック氏は当初、米ドルがハイパーインフレ状態に陥らないことに100万ドルを賭ける相手を募っていた。これにスリニヴァサン氏が反応した。
賭けの条件では、ビットコインの価格が6月17日までに100万ドルに達しなかった場合、メドロック氏はドルペッグのステーブルコインであるUSDコインで100万ドルと追加で1BTCを受け取ることになっていた。逆に、同じ期日までに1ビットコインが100万ドルの価値があると評価された場合、シュリニヴァーサン氏は1BTCと100万ドル分のUSDコインを手に入れることができた。
I will take that bet.
— Balaji (@balajis) March 17, 2023
You buy 1 BTC.
I will send $1M USD.
This is ~40:1 odds as 1 BTC is worth ~$26k.
The term is 90 days.
All we need is a mutually agreed custodian who will still be there to settle this in the event of digital dollar devaluation.
If someone knows how to do this… https://t.co/hhPr522PQu pic.twitter.com/6Aav9KeJpe